東日本大震災

「二重生活」考慮も、就学援助1066人 11年度の県内市町村

2012年06月21日
 東日本大震災に伴い本県で避難生活を送る小中学生に対する市町村の就学援助制度で、2011年度に支援を受けた児童生徒が28市町で計1066人いたことが山形新聞の調べで分かった。12年度は11年度の弾力的運用から制度本来の基準に近づける市町があり、対象人数は減少する見通し。二重生活で生活費が増えている実態を考慮する動きが見られる一方、もともとの市町民を対象とした就学援助制度とのバランスに苦慮する姿も浮かび上がった。

 山形市は11年度、避難者全員を就学援助の対象としたが、12年度は本来の制度同様、収入と生活に必要な費用を勘案し、就学が困難な支給対象者かどうかを判断する。ただ避難世帯に関しては、避難している家族と自宅に残る家族とで二重に生活費が発生している実態も踏まえるという。二重生活による負担増を考慮するという市町は鶴岡市、南陽市など他にもあった。

 山形市では11年度よりも支給対象者は減る見込み。避難世帯からの問い合わせもあるという。担当者は「気持ちは分かるが…。就学援助制度の中での避難者支援には限界がある」。

 山形市に次いで避難児童生徒が多い米沢市も、所得にかかわらず支援していたが12年度は所得基準を設けた。従来の就学援助制度の基準とは別で「生活が一変し、支出が増えている。生活全般を見たときに一律には判断できない」と同市教委。「もともとの市民と同じ制度として考えると不公平感が出る。別個と捉えている」と説明する。対象人数は未定だ。

 11年度と同様の対応を取る市町もある。酒田市は12年度も所得要件を設けない。「国が方針を示す前に市としての支援方針を決めていた。被災児童生徒への支援は従来の就学援助と別立てと考えている」とする。一方で、13年度以降の対応について「認定基準などの見直しが必要と考えてはいるが…」(長井市)と頭を悩ます市町もある。

 「生活費が二重に掛かっている母子避難のケースの基準を示してほしい」(河北町)と、国や県に一律の基準を示すことを求める意見や、「支援方法に関する指導や情報提供がない。市町ごとの対応に差があって苦慮した」(川西町)との声があった。

就学援助制度 市町村が就学が困難と認定する世帯の児童生徒に対し学用品、給食費などの就学に掛かる費用を援助する制度。生活保護世帯は市町村と国が2分の1ずつ、要保護世帯に準じると市町村が判断した準要保護世帯は全額市町村が負担する。市町村が震災の影響で就学が困難になった児童生徒を支援した場合、限度額はあるが国が全額負担することになっている。11年度は避難元の自治体や企業が混乱していることなどに配慮し、本来の制度の中では必要な所得証明などがなくても弾力的に運用していた。
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