東日本大震災

「大槌町で復興の祈りささげたい」 鶴岡で修練の十王舘さん

2013年03月21日
冷たい川の中で祝詞を唱える十王舘正学院悟記さん(2列左から3人目)=鶴岡市
冷たい川の中で祝詞を唱える十王舘正学院悟記さん(2列左から3人目)=鶴岡市
 東日本大震災で被災した岩手県大槌町にある神社を継ぐため、鶴岡市の出羽三山神社神職養成所に入所していた十王舘正学院悟記(じゅうおうだて・しょうがくいんさとき)さん(20)が2年間の修練を終え、神主としての一歩を踏み出した。20日には、羽黒山中で最後の荒行に挑戦。「これからは大槌町で復興の祈りをささげたい」と思いを強くした。

 大槌町は、川西町出身の劇作家・作家井上ひさしさんの代表作「ひょっこりひょうたん島」のモデルとされる蓬◎(ほうらい)島がある沿岸の町。津波で壊滅的な被害を受け、町民の約1割に当たる約1500人が死亡・行方不明になった。

 十王舘さんの実家である大槌稲荷神社は高台にあったため大きな被害はなかったが、本殿の15メートルほど下まで津波が押し寄せ、参道の鳥居が流されたという。発生時は近くのコンビニから神社に戻る途中だった十王舘さんはすぐに逃げて無事だったが、母方の祖父母を津波で失った。

 当時、神職の道に進むことを決めていた十王舘さんは、遠い先祖が羽黒山伏とされることもあり、出羽三山神社神職養成所への入所を希望。震災直後の3月末に試験を受ける予定だったが延期し、4月上旬に受験して合格。実家の神社を守る父の手助けをしたいと、出羽三山の“鳥居”をくぐった。

 養成所では参集殿にある寮で寝泊まりしながら、祝詞の読み書きや神道の歴史について学習。休日には祈祷(きとう)所で神社職員らの手伝いをして仕事を覚えた。

 2年間の集大成となる20日の荒行は、羽黒山中の祓川(はらいがわ)での卒業みそぎ。卒業式当日の恒例行事で、十王舘さんは同期2人や先輩ら10人とともに川に入り、体を真っ赤にしながら祝詞を唱えた。川から上がった十王舘さんは「2年間の思いを込めてみそぎをした。震災もあって大変だったが、これからは神主として修業の道にまい進する。実家に戻ったら、被災して亡くなった人たちのために慰霊祭をしたい」。寒さで体は震えていたが、充実した笑顔を見せた。
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