東日本大震災

震災発生から3年、県の取り組みは― 「卒原発」へ動く

2014年03月11日
 東日本大震災と東京電力福島第1原発事故を契機とし、県政の運営方針は大きく転換した。「卒原発」を提唱する吉村美栄子知事の指揮の下で▽県内への避難者支援▽防災体制の見直し▽再生可能エネルギーの導入拡大―といった課題に対応してきた県の3年間の取り組みをまとめた。

■避難者受け入れ
 東日本大震災と福島第1原発事故の発生後、約2年4カ月にわたり山形県は全国最多の避難者を受け入れてきた。県内の避難者数は2012年1月の1万3797人をピークに減少しているが、依然として6千人近い避難者が滞在している。住宅問題をはじめ継続的な支援の在り方が課題となっている。

 県復興・避難者支援室によると、6日現在の県内避難者数は5982人。震災から2年が経過した昨年は特に7~9月に1344人が一気に転出するなど顕著な減少傾向がみられ、7月には東京都の受け入れ数が全国最多となった。

 県は被災各県の要請に基づき、借り上げ住宅の入居期限を毎年1年間ずつ延長してきた。避難者が昨年7~9月に減少した背景には、借り上げ住宅の更新時期が重なったことや経済的な問題、子どもの進学・進級への配慮といった多様な事情があるとみられる。

 現在、県に対し借り上げ住宅から退去するための手続きを始める動きが目立ってきており、同室は「進学などへの配慮から、この春で帰郷を決断する避難者が相当数いるのではないか」としている。

 避難者との意見交換会、避難者を対象にしたアンケートでは先行きが見えない生活に対する不安の声に加えて▽借り上げ住宅の入居期間延長▽住宅の住み替えが可能な措置―といった支援を求める声が相次いだ。1月23日に山形市内で開かれた意見交換会で、吉村知事は「国への要請を続け、安心して避難生活が送れるようサポートしたい」と強調した。

■防災計画見直し
 東日本大震災を踏まえ、県は防災体制の抜本的な見直しを行った。県、市町村、防災関係機関が取るべき総合的、基本的事項を規定した「県地域防災計画」を震災後の3年間で2回改定し、体制を整備。さらに、震災時の対応と課題を分野ごとに取りまとめた記録集を作成しており、近く公表する予定。

 国の防災基本計画の修正を受け、県は12年3月と13年3月の2回にわたり県地域防災計画を改定した。昨年の改定項目は(1)広域避難・応援体制(2)原子力災害対策(3)災害時医療救護体制―など。広域避難と応援については、県民が他県に避難するケースと他県から避難者を受け入れるケースを想定し、自治体間の協議手続きを検討、より迅速な避難誘導と受け入れの体制を整えた。

 震災対応、震災で浮き彫りになった課題をまとめた記録集は▽避難者の受け入れ▽がれきの搬入▽避難所の開設―といった項目ごとに整理し、後世への教訓として残すことにしている。

■再生可能エネ導入
 東日本大震災に伴う福島第1原発事故を受け、県は吉村知事が提唱する「卒原発」のスローガンの下、再生可能エネルギーの導入を推し進めてきた。13年度は出力1メガワット以上の大規模太陽光発電所(メガソーラー)が県内6カ所で初めて稼働、取り組みが本格化している。

 県エネルギー戦略で掲げた「30年までに101.5万キロワット」の導入目標に対し、太陽光発電は全体の3割に当たる30.5万キロワットを見込む。県企業局が昨年12月、村山市で運転を開始したメガソーラーは「積雪地は太陽光発電には不利」との懸念を払拭(ふっしょく)するためパネルの角度、土台の高さに工夫を施し、積雪地でも発電が可能なことを実証する狙い。データを公表して知見を共有し、民間事業者の参入を促進したい考え。

 再生可能エネルギーの県内導入量は13年3月末現在、7.3万キロワット。目標値の1割以下にとどまっており、県は▽家庭向けの設備導入に対する補助拡充▽1メガワット未満の中規模発電に対する事業参入促進▽木質バイオマスの活用―といった部局横断的な取り組みで一層の普及拡大を目指す。
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