東日本大震災

山形の福島っ子[7] 本社アンケートから(上)

2014年03月11日
 東日本大震災の発生から11日で3年が経過する。主に福島県から山形県に身を寄せる子どもたちはどんな日々を過ごしているのか。県内の避難児童生徒を対象に、山形新聞社はアンケートを行った。多くが「仲のいい友達ができた」と答え、充実した日常を感じさせるが、離れて暮らす家族と友達、仮住まいでの生活など悩みも浮かび上がった。

*新たな友人関係
 アンケートは避難者の多い山形、米沢、鶴岡の3市内で協力を依頼し、本県に避難している小中高生の約1割に当たる94人の回答を得た。出身地は福島県が89人、宮城県4人、無記入1人で、回答者の7割が小学生。

 連載「山形の福島っ子」を通じ、本紙はスポーツや勉強に励む子どもたちの姿を伝えてきた。アンケートで「現在の生活で頑張っていること」(複数回答)を尋ねると「勉強」が25%と最多で、次いで「友達と遊ぶこと」が16%、「習い事」が14%だった。

 「(これらのことを)頑張って良かったこと」の記述では「仲間といい結果を出せた」(福島市・小6女子)「親友ができた」(同・中3女子)と回答。活動を通じ友人関係を育んでいることが分かる。

 「今の生活でうれしかったこと」(同)は「仲のいい友達ができた」が23%で最多。「学校が楽しい」が18%で続いた。「遊べる場所が増えた」も14%あった。「花や葉っぱ、土を触れる」(福島県桑折町・小3女子)など、原発事故により避難元で屋外活動が制限されたことが影響したとみられる。

 「困っていること」(同)は「避難元の友達と離れたこと」が最も多く22%。「家が狭い」が14%、「父と離れて暮らしていること」「また地震が起きないか不安」がそれぞれ13%だった。「いじめに困っている」という記述も1件あった。

 避難元の友達に関する記述では「もっと遊びたかった」(福島市・中1男子)という心情のほか、「久しぶりに友達と会ったら話すことが無くて気まずかった」(同・小6女子)「(もう)顔を思い出せない」(福島県南相馬市・中1男子)などがあり、従来の関係を維持できるかどうか悩む様子がうかがえた。

 「家が狭い」も切実な悩み。避難者の多くはアパートなど借り上げ住宅に入居しているが、災害救助法の規定で原則住み替えができない。震災から3年が経過して子どもは成長し「家は2部屋だけ。自分の部屋がない」(福島市・高2女子)「勉強机が置けない」(福島県二本松市・小1男子)などの声が寄せられ、住まいは手狭になっている。

 父親不在の悩みは小学生の回答で「友達」「家の狭さ」と並び最多の15%に上った。回答者の74%に離れて暮らす家族がおり、その67%が父親だった。「一緒に遊べない」(福島市・小2男子)「1人の留守番が増えて寂しい」(同・小1女子)「安心できない」(南相馬市・中1男子)などとその影響を説明する。

*「原発なんか…」
 回答内容には、子どもたちが友達を支えに山形で暮らしていることが表れた。一方、避難元に残る家族、友人に思いを寄せ「原発なんかのせいで引っ越したくなかった」(福島市・小4男子)「やっぱり今の生活に慣れていないのかもしれない」(南相馬市・中1女子)と悩む様子もうかがえた。

 こうした人間関係のはざまで、子どもたちは古里に対し複雑な思いを抱いている。
(震災問題取材班)
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