東日本大震災

「忘れ米」に被災地への思い込め 奥山さん(最上)、無償で全国へ

2016年03月06日
「3・11を忘れ米」を袋詰めする奥山勝明さん(右)=最上町・松林寺
「3・11を忘れ米」を袋詰めする奥山勝明さん(右)=最上町・松林寺
 東日本大震災の発生から5年を前に、最上町富沢の農業奥山勝明さん(59)が自ら栽培した米を「3・11を忘れ米」として無償で全国に発送する準備を進めている。この米を通して人々の記憶から震災が風化してしまうことを防ぎ、被災地に思いをはせてほしい―との願いを込めている。310グラムの米と1グラムのろうそくをセットにし、計311グラムの袋を311個用意した。

 奥山さんは大震災直後、被災者を町内の温泉に送迎するボランティア活動に参加。被災地の津波被害の様子を目の当たりにした。農閑期は建設業に従事し、災害復旧工事に携わったこともある。だが、時がたつにつれ、被災地以外では被災地や被災者のことが忘れられているのではないか―との思いが強くなった。

 風化防止のため何かできないかと考え、自分が栽培した米を活用し「3・11を忘れ米」の全国発送を思い立った。以前から奥山さんの米を購入している俳人黛まどかさんが昨年、田植えと稲刈りを手伝った山形95号で、「夢まどか」と名付けた無農薬の特別栽培米を用意。近くの松林寺住職三部義道さん(59)が「3・11を忘れ米」と命名した。重さも個数も3・11にこだわった。

 袋詰めには奥山さんや三部さん、地元の女性の計6人が参加。310グラムずつ計測して袋に入れ、ろうそく1本と三部さんが作った朱色の「3・11を忘れ米」シールを貼り付けた。被災地の早期復興、原発事故の早期終息、被災者の健康、安全を願い、三部さんは祈祷(きとう)も行った。近く奥山さんや黛さんの知人ら東京、長野など全国各地の311人に発送する。

 被災地を訪れるたびに「まだまだ復興などしていない」と実感する奥山さん。昨年秋には宮城、福島両県の被災地にも夢まどかを贈ったといい、「3月11日はろうそくに火をともし、忘れ米を食べてあの惨劇について語り合う日にしてほしい」と話していた。
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