挑む、山形創生

第3部「よそ者」の視点(1) 若林吾朗さん(尾花沢)

2016年03月28日
約1年間「地域おこし協力隊」として尾花沢市の市野々地区で暮らした若林吾朗さん(左)。離県を前にかんじきツアーで雪国の楽しさを体で感じていた=3月20日、尾花沢市・山刀伐峠
約1年間「地域おこし協力隊」として尾花沢市の市野々地区で暮らした若林吾朗さん(左)。離県を前にかんじきツアーで雪国の楽しさを体で感じていた=3月20日、尾花沢市・山刀伐峠
 地域おこしには「若者」「よそ者」、そして熱中できる「ばか者」の視点が必要といわれる。現在、都市部から過疎地域に移り住み、活性化に取り組む「地域おこし協力隊」が全国で活躍しており、2015年度は県内でも24市町村で75人が活動した。県内を訪れ、さまざまな分野で活躍した6人に「山形創生」へのヒントを聞いた。

     ◇

 ―尾花沢に来て、畑にごろごろ転がっているスイカにびっくりしたそうですね。

 「どこの畑に行っても摘果された小さいスイカが転がっていて、最初は思わず写真を撮りました。まずこんな光景ないですから。尾花沢のスイカは甘くてでかくて、本当においしいと思います。別にスイカを食べに尾花沢に来たわけではないんですが、夏になると農家からもらえたりして、スイカには困らない所だと思いました」

■尾花沢弁好き
 ―尾花沢市市野々の空き家に住み、方言に苦労もあったとか。

 「来たばかりの時、隣のおじさんが『むす大丈夫か?』って言うんです。『むすって何ですか?』『むすだ』『だからむすって何ですか?』『むすだむす、むすむすむす』って言われて。そこで『ああ、虫ですね』と尋ねると、『虫だ』って言うから『最初から虫って言えばいいじゃないか』と思いました。でも山形弁(尾花沢弁)は好きです。『はいづばり』(それだけ)が特にぐっときますね。『はいづばり直してけろ』とか言われました。最初何言ってんのか分からなかったですけど。語尾に付く『にゃー』もいい。でも皆さんあまり口を開かず早口だから、全部つながって聞こえてどこが単語だか分からない。大事なことを聞き逃すこともありましたね」

 ―冬は雪かきもやりました。尾花沢の暮らしはどうでしたか。

 「近所の人がご飯を食べさせてくれたり、山菜をくれたりして、うれしかったです。正直、空き家に一人で住むのは厳しかったですが、隣の人に代わりにやってもらえることが多くて助かりました。屋根の上の雪を放置していたら、役所に家がつぶれると通報してくださったりして、本当に助け合って暮らしているんだなと感じました」

 ―「おばねからオバマへ」のインタビューについては。

 「若い人みんなが力が発揮できるようになれば、世の中何とかなるんじゃないかなと思っていて、そういう機運が高まるきっかけになればと企画しました。リーダーにいろんな話を聞くことを通して、若者のマインドをいい方向に持っていけたらいいなと思います」

 ―山形県の若い人の印象は。

 「山形市に行って大学生と話す機会がありました。意識が高くて存在感があって、癖のあるいい若者が多い印象を受けました。山形が好きで、山形のために頑張っている人が多いと感じました。地元に対する危機感を持っているということです。全国に対しても例えば『山形ボーイズ』みたいなラベリングで、山形の若者を発信できるんじゃないかと感じました。地元愛は埼玉の若者より山形の若者の方が強いと思います」

■有名な特産品
 ―山形の特徴と、足りない点があったら、指摘してください。

 「良くも悪くも地域の個性が強いと思います。スイカ、そば、サクランボ、ワイン、リンゴなどそれぞれに有名な特産品があり、どこそこの市や町に行くことが目的にできるぐらい個性が強い。故郷の埼玉は仕事はあるけど、見に来る土地としては圧倒的に山形の方が魅力があると思う。埼玉は隣の自治体に行っても街並みも雰囲気も変わらないのに、山形は自治体が変わると印象が変わる」

 「一方で各自治体がばらばらで、小さな自治体同士でコンペティション(競争)をやっている感じがしました。日本や世界とかもっと大きなところで考えれば、そこで争っている場合ではないと思います。例えば『尾花沢に来い』と言うんでなく、『北村山に来い』と言えるようになるとだいぶ違うと思う。尾花沢市に来た人に村山市にも行ってくださいと言えるぐらいの勇気がないと。プロモーションも県単位、せめて北村山でやらないとだめだと思いました」
(「挑む 山形創生」取材班)

【共通質問】山形ってどんな感じ?
(1)山形のどこを全国にPRしたらいい?
▽各地に田んぼアートがある。田んぼアートの県として売り出してみたら

(2)山形の悪いところ、改善した方がいいところは
▽似たようなことを各自治体が単独でやることが多い。県を元気にするため、各自治体の連携を考える必要がある

(3)山形らしさを一言で
▽温かくてシャイ

 わかばやし・ごろう 1992年6月21日生まれ、23歳。埼玉県蕨市出身。昨年、東京大を休学し1年間、尾花沢市の空き家で生活し、活動した。政治家のビデオメッセージをリレー形式で収録、最終的にオバマ米大統領到達を目指す「おばねからオバマへ」などユニークな活動に取り組んだ。4月から総務省職員になる。
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