挑む、山形創生

第3部「よそ者」の視点(5) 千田若菜さん(村山)

2016年04月01日
「村山を知り、知ってもらうために作った」瓦版を手にする千田若菜さん。手書きの文章や、イラストがぬくもりを感じさせる=村山市碁点
「村山を知り、知ってもらうために作った」瓦版を手にする千田若菜さん。手書きの文章や、イラストがぬくもりを感じさせる=村山市碁点
 ―地域おこし協力隊員として、村山市内のもの、こと、人をテーマにした瓦版を作ってきたとか。

 「地域おこし協力隊員になって、自分がどんなことで貢献できるか考えました。大学では版画を専攻していたこともあり、自分のスキルを生かすには、絵を描くことだと分かったんです。絵と記事で地域のことを取り上げ、自分の活動をもっと多くの人に知ってもらい、自分自身も村山のことをもっと知りたいと思い、2年目から瓦版を作りました」

手作りの瓦版
 ―毎月発行していたようですが、どのようなコンセプトで瓦版を作っていたのですか。

 「1カ所の場所か一つのテーマ、人など自分が気になることを取り上げました。パソコンやワープロは使わず、絵もすべて手描き。その方が温かみがあるから。大学時代から山形で暮らしていたけど、改めて『よそ者』の視点を大切にすることを心掛けました。市役所の方に手伝ってもらうこともありましたが、取材から印刷まで基本的には1人でこなしました。事実関係の確認などを含めると一つの号を出すのに2、3週間かかりました」

 ―全部で24号を発行し、総集編となる冊子も作ったそうですね。瓦版を作って感じた手応えは。

 「取り上げた地域などでは全戸配布をしてもらい、瓦版を出した1年目で少しずつ知名度が上がりました。自分でテーマを選ぶだけでなく、取材依頼も来るようになり、最終号では(東桜学館の母体になる)楯岡高校を取り上げてほしいと頼まれました。単純に取材した人に喜んでもらえたり、地元のことを知ることができたと言ってもらいました」

 ―これまで活動を通して、分かった山形の良さは何ですか。

 「人だと思います。あったかく受け入れてくれる。自分と同じ世代の人は面白いことをやっている人が多い。あとは季節がはっきりしていることです。寒いだけじゃなくて冬は冬らしく雪がたくさん降り、夏は夏らしく暑い。きっと季節の変化がはっきりしているので、おいしい食べ物が作れるんだと思います。山も、川も海もあって、こういう所はそんなにないんじゃないかな。村山では雪が多くて他に移り住む人もいるようですが、季節の変化や自然環境は自分の肌に合っています」

自慢していい
 ―山形に足りないもの、もう少し改善した方がいい部分はありますか。

 「新しくて便利な施設など、生活が快適になるものも必要だとは思います。でも、古いものの良さに気付くべきです。あとは、地域のつながりが強いことは良いことですが、若い人の中には苦手な人もいるのではないかと思います」

 「地域の人にとって当たり前のことや、日常にあるものが実はすごいことやものだということに気付いてほしいです。地元についてもっと興味を持つべきだと思います。地域の伝統文化などが、実は自分のルーツと関係があったり、何かしらの関わりがあったりということはきっとあるはず。自分と地域の距離が近くなり、愛着を持てるようになるはずです。自分の地元のことについて、謙遜している人が多いので、自慢するくらいでいい。山形の人はもっと自慢すべきですよ」
(「挑む 山形創生」取材班)

【共通質問】山形ってどんな感じ?
(1)山形のどこを全国にPRしたらいい?
▽自然が豊かでおいしいものもたくさんあるところ。山も海も川もあって、季節がはっきりしていること

(2)山形の悪いところ、改善した方がいいところは
▽新しいものに目が向いて、せっかく古くてもいいものがあるのに目が向かないところ。自分たちの伝統文化など、謙遜せずに自慢した方がいい

(3)山形らしさをひと言で
▽地域に根差す

 ちだ・わかな 1990年4月生まれ、25歳。岩手県盛岡市出身。東北芸術工科大に入学し、芸術学部美術科で木版画を専攻した。卒業後、村山市内の手作りパン屋で働きながら地域おこし協力隊員として活動してきた。3年間の任期を終え、食に携わる仕事がしたいと、4月からは栃木県内のパン屋に就職する。
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