第90回 全国高等学校野球選手権山形大会

◆YZ.タカスタ(中山町)

▽第1試合(13:00/決勝)
チーム名
酒田南
羽黒
(試合終了)
(酒)安井−西
(羽)豊田、佐藤旭−石井
▽本塁打=西(酒)
▽二塁打=安井、古橋(酒)佐藤旭(羽)
 【評】大一番で攻守に本来の力を発揮した酒田南が羽黒に快勝。3回に犠飛でそつなく先制すると、4回は下位打線の連打で2得点。5回には主砲西が本塁打を放つなど、自在の攻めを見せた。先発安井は球威、制球ともに申し分なし。常に優位なカウントで勝負し被安打3、12奪三振の好投だった。羽黒の先発豊田はボールが先行しストライクを取りにいく甘い球を狙い打たれた。打線も安井に力負け。

絶えて大輪、投げ抜いた安井

〈酒田南―羽黒〉9回裏、ラストバッターを三振に仕留め、ガッツポーズで飛び跳ねる酒南の先発安井亮輔と、マウンドに向かう捕手西凌太=中山町、YZ・タカスタ 〈酒田南―羽黒〉9回裏、ラストバッターを三振に仕留め、ガッツポーズで飛び跳ねる酒南の先発安井亮輔と、マウンドに向かう捕手西凌太=中山町、YZ・タカスタ
 6回を終えて6−0。圧倒的優位に立ちながら酒田南の西原忠善監督はベンチで厳しい表情を崩さなかった。「東北大会での変な負け方が頭をよぎっていた」

 約40日前、春の東北王座を懸けて同球場で行われた青森山田(青森)との決勝戦。終盤3回で7点差を追い付かれ、延長の末に敗れた。この日のマウンドにはあの時と同じ2年生左腕安井亮輔。だが、中身は、「思い出したくない」(安井)ふがいない試合を機に奮起し、レベルアップした別人だった。

 山田戦は終盤に球威が落ち、変化球が高めに浮いたところを打ち込まれた。監督の厳しい指摘を受けるまでもなく痛感した体力不足。200球の投げ込みを週5日のペースで続け、夏に備えた。併せて取り組んだ意識改革。感情の起伏を表に出さないようにした。この日も、大一番を意識しないよう、努めて淡々と投げた。

 しかし、意思とは裏腹に、強化された肉体は熱い闘志に操られ、躍動した。変化球は低めに集まり、ストレートは自身最速となる136キロ。試合が中断しそうなほどの強い雨が降りだしても、無安打記録が7回で途切れても、2失点しても、球威、制球力は衰えず、最後は3三振で締めた。「(大量リード後は)気を引き締めていこうと思った」と安井。指揮官は「山田戦では流れのままにバタバタしてしまったが、守備の要の山本(耀志)が復帰し、全体が最後まで落ち着いていた」とチームの進歩を喜び、安井についても「いろんな局面を経験して成長した」とたたえた。
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