第61回 秋季東北地区高校野球県大会

大会を振り返って

 酒田南は走攻守すべてにおいて抜きんでていた。優勝は順当な結果。主戦安井亮輔を筆頭に奥野太香、林完伍、平川雄隆ら甲子園で先発出場した選手を中心に技術面、精神面ともに安定感があった。さらに阿部翔太、三浦俊彦といった1年生も特に打撃で起用に応えた。西原忠善監督は「甲子園で打ち勝つチームをつくりたい」と語ったが、それだけの好素材がそろっている。

 県大会は強攻策だけで勝てたが東北大会ではそうはいかない。全国選抜大会への切符を得るには、本来の持ち味である堅実な野球が不可欠だ。

 寒河江工は、過去最高の準優勝を果たし、秋季は初の東北大会出場を決めた。強豪の多くが逆のブロックに集中するという組み合わせの妙もあったが、チャンスをものにするには地力が必要。寒工にはその力があった。攻撃力に特化した個性的なチームづくりは、選手確保や練習環境などで制約の多い公立校が甲子園に行くためのひとつの方策だろう。だが、守備の粗さに目をつぶる以上は、私立勢と互角の打力では勝てない。絶対的なアドバンテージを得るまでにはまだまだレベルアップが必要だ。

 3位の鶴岡東は犠打、盗塁といったサインプレーや、相手打者に応じた守備の位置取りなど、一つ一つのプレーの精度が高かった。2回戦の日大山形戦と、酒田工との3位決定戦でいずれも完封(3位決定戦は6回コールド)の1年生左腕渡辺貴洋をはじめ投手陣の駒がそろっており今後が楽しみ。

 先発メンバーの半数以上を1年生が占める酒田工の健闘が大会を盛り上げた。東北大会出場は逃したが、23年ぶりの4強入りは立派。今大会の経験は来年以降につながるはずだ。

 8強の地区別内訳は飽海、田川、置賜がそれぞれ2、村山1、最北1。庄内勢の優位が際立つ一方、村山勢は元気がなかった。
(報道部・佐藤善哉)

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