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東根市「あおぞら保育園」の食育教育 お手本は“おぼこ先生”

 0~2歳児が対象の東根市の認可保育園「あおぞら保育園」(大江雅人園長)は、小さい頃からの食育教育に熱心だ。昨年10月からは2歳児が「おぼこ(子ども)先生」となって0、1歳児に食材の下ごしらえを教えるなど独自の取り組みを展開。NPO法人「キッズエクスプレス21」(東京都)の第6回食育コンテストで最高賞を受賞した活動の様子を取材した。

三角巾を頬かぶりした「おぼこ先生」が年下の園児にタマネギの皮のむき方を教えた
三角巾を頬かぶりした「おぼこ先生」が年下の園児にタマネギの皮のむき方を教えた

 3月下旬に訪れた日は田代蓮ちゃん、清野空玲夢(くれむ)ちゃん、菅藤依愛(いちか)ちゃんが「おぼこ先生」に。三角巾を頬かぶりする定番スタイルになって準備は万端。周囲の保育士から「先生」と呼ばれてちょっぴり誇らしげな表情だ。

 下ごしらえする食材は給食の内容によって違い、この日は肉じゃが用のシメジのほぐし作業とタマネギの皮むき。作業も手の発達段階に合わせて0歳児がシメジのほぐし、「つまむ」ことができるようになった1歳児はタマネギの皮むきに挑戦した。

 まずは0歳児。「おぼこ先生」たちは周りで見守る保育士から「ムキムキして」「ちっちゃくしてね」と声を掛けられながらお手本を披露。既に経験しているとあって次々と作業を進め「上手」「できたね」と褒められて満足そう。「どうぞ」「難しくないよ」と年下の園児に優しくシメジを手渡しながら一緒に作業。0歳児も見よう見まねながら小さな手でシメジを少しずつほぐしていた。1歳児でも同様にお手本を示しながら作業を進め、完了するとみんなで拍手。下ごしらえした食材は施設内にある給食室に仲良く運んでいた。

年下の園児を前にシメジのほぐし方を実演する「おぼこ先生」
年下の園児を前にシメジのほぐし方を実演する「おぼこ先生」

 大江園長は「子どもは年が近い方がまねしやすい。2歳児ができると年下の園児も自分でもできそうな気がして頑張るんです」と0、1歳児への効果を説明。「生活リズムをつくるために食はとても大切。離乳食から食育は始まると言ってもいい。『おぼこ先生』の活動は今後も継続する。さらに早寝早起き朝ご飯といった生活習慣に関わる取り組みを始めるなどより食育活動を充実させたい」と話していた。

【発案者、保育士・佐藤泉さん】「ごっこ遊び」きっかけ-思いやりや自信育みたい

「おぼこ先生」を発案した佐藤泉さん
「おぼこ先生」を発案した佐藤泉さん

 子どもたち同士で絵本を読み聞かせたり、出席確認をするなど「先生ごっこ」が流行っていたのが「おぼこ先生」の発案のきっかけです。みんな先生役をうれしそうにしていたので「本当の先生にしたらどうかな?」と思いました。

 始める前は「ちゃんと優しくできるかな」「『自分がやりたい』と泣きだす子もいるかな」と不安もありましたが、いざやってみるとみんな進んで教えていました。「先生」と言われて照れ笑いしながらお手本を示しています。当番制で行っていますが、今は「ぼくが、あたしが」とみんなやりたがります。

 活動の際は、周囲の保育士はなるべく手伝わないで「おぼこ先生すごいね」などとやる気にさせる声掛けをたくさんするようにしています。褒めることで満足感や達成感をより感じてもらいたいからです。

 最初は自分の物を「どうぞ」と渡せなかった子も活動を通してできるようになりました。野菜など好き嫌いがあった子も自分が下ごしらえした食材を給食から見つけて「あった」と率先して食べるようにもなりました。家庭からも「自分からレタスちぎりや卵割りを手伝ってくれるようになりました」と好評です。

 これからも活動を通し、子どもたちに思いやりの気持ちや自信を持ってもらいたいと思っています。

メモあおぞら保育園

2006年4月に開園。07年度から食育計画を作成して活動を推進している。当初は野菜の栽培体験から始め、これまでトマトやピーマン、ニンジンなどを栽培。給食に使って食や自然への興味を高めている。09年度からは当番制で2歳児による給食の配膳を開始。11年度からは下ごしらえにまで活動を拡大し、2歳児が慣れてきたところで「おぼこ先生」の活動を始めた。こんにゃくやキャベツをちぎる作業など子どもたちができる範囲で企画。これまで月2~6回のペースで行っている。この他、農家や魚屋、肉屋など納品業者を招待して一緒に給食を食べる活動も行い、食に関する感謝の気持ちを育んでいる。


2012年4月3日掲載
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