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ファザーリング全国フォーラムinやまがた(上)

 男性の家事や育児などへの参画を考える「ファザーリング全国フォーラムinやまがた」が11月11、12日の両日、山形市の山形国際交流プラザで開かれた。東北では初開催となったイベントを、シンポジウムや分科会の様子について2回に分けて紹介する。

 初回は「イグメン・イクボスが拓(ひら)く笑顔に満ちた社会~少子化社会克服のために~」をテーマとしたシンポジウム。少子化ジャーナリストの白河桃子氏、全国規模で父親支援事業を展開するNPO法人ファザーリング・ジャパンの安藤哲也代表理事、飛塚典子県子育て推進部長がフリートークを展開した。その要旨は以下の通り。

男性の育児参画を進めるための働き方などについて意見を交わしたシンポジウム=山形市・山形国際交流プラザ
男性の育児参画を進めるための働き方などについて意見を交わしたシンポジウム=山形市・山形国際交流プラザ

 飛塚 本県の総人口は2015年の国勢調査では約112万3900人で、5年前の調査より約4万5千人減少した。この間、1万人規模の市町村が毎年一つずつ減っている状況にある。

 少子化の要因は未婚化、晩婚化の進展、子育ての負担感が大きいと思われる。30代は男性が約4割、女性は4人に1人が未婚。若い世代の県外流出が大きな問題で、いかに県内に戻すかが課題。山形で子どもを生み育てる環境、ライフスタイルを定着させることが重要と考えている。

 白河 山形は女性の県外流出が問題だと思う。一つは仕事。結婚、出産しても辞めないで安定して働き続けられる仕事をたくさんつくることが重要だ。女性が働ける“いす”が少ない。女性の雇用を増やし、長時間でなくても、楽しく働ける環境が大切だ。

少子化ジャーナリスト・白河桃子氏
少子化ジャーナリスト・白河桃子氏

 ある人と話した際、「長時間労働をしない特区」(の宣言)はどうか、という話になった。午後6時には仕事を終えて家庭に帰ることを試行し、他地区と比べて仕事の生産性がどうなるか競ってみるのも面白いと思う。

 安藤 県外流出をどう阻むかが大事だ。県外に出た人が、どうすれば山形に戻りたくなるかを考えた方がいい。(自治体として)働き方王国日本一、女性の雇用日本一、イクボス推進県など、そういう売り出し方が大事になる。山形に帰ってみようかという流れは、できないか。

 飛塚 高校生らを中心としたライフデザインセミナーを開催している。男女が一緒に子どもを生み育てるという教育が重要だと考えている。昨年12月には、県内企業による「やまがた企業イクボス同盟」が設立され、113社から応募があった。経営トップの意識を変えることが、ワークライフバランス(仕事と生活の両立)の改善につながると思う。

 安藤 「イクボス」宣言が、ゴールになってはだめだ。イクボスは抗生物質ではなく、あくまで漢方薬。毎日決まった時間に飲み続けて、半年後にようやく体質が変わってきたなと思えるようなもの。“同盟倒れ”は避けてほしい。

 飛塚 同盟に参加してもらった企業の意欲は、評価したいと思う。本県では、「山形いきいき子育て応援企業」の認定制度も設けている。イクボス企業の経営者による宣言だけではなく、ワークライフバランスや女性の活躍、男性の育休活用など、実際の取り組みに結び付けていくことが大切だと考えている。

 白河 「見えやすいこと」から取り組んだ方がいい。例えば、社員に有休を確実に取らせることもそうだ。有休取得率は日本全体で47%ぐらいしかないという。世界からは「もらえるはずの休みを取らないとは、なんてすごい国だ」と思われている。独身の人もしっかり休むことが大事。

 一方、1週間でも育休を取った方がいい。男性は何もできなくても、お乳をやり続ける妻のそばで、おろおろしているだけでも違うと思う。「育休100%企業、100社」を目指すなど、分かりやすいことから、取り組んでほしい。

ファザーリング・ジャパン代表理事・安藤哲也氏
ファザーリング・ジャパン代表理事・安藤哲也氏

 安藤 イクボスには、会社での飲み会「ノミニケーション」を辞めようと教えている。男性中心社会の名残りだ。

 白河 午後8時までに退社し、「110運動」として飲み会は一次会、午後10時までと設定している企業もある。一つのモデルケースをつくり、1社だけでなく地域全体でこうした取り組みを行えば、みんなが助かると思う。

 飛塚 県庁の中でも“不夜城”と言われている所がある。時間外労働の削減に取り組んでいるが、頭の痛い問題だ。大胆な見直しをしないといけないと思っている。

県子育て推進部長・飛塚典子氏
県子育て推進部長・飛塚典子氏
メモ

【ズーム】やまがた企業イクボス同盟 部下の育児参加やワーク・ライフ・バランス(仕事と家庭の両立)の充実を応援する上司「イクボス」を増やそうという企業経営者らの組織。県は「やまがた創生総合戦略」で2019年度までに加盟企業を300社まで増やす数値目標を掲げており、10月末現在で142社が登録。

【ズーム】山形いきいき子育て応援企業 仕事と家庭の両立や女性の活躍推進に積極的な企業を登録・認定する。女性管理職を登用したり、男性が育児休業を取得したりした場合などに奨励金を支給。9月末現在、660企業が認定を受けている。

2016年11月29日掲載
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