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保育の基準3法令改定、何が変わる? 東北文教大短期大学部・奥山教授に聞く

 保育の基準となる「幼稚園教育要領」「保育所保育指針」「幼保連携型認定こども園教育・保育要領」の3法令が昨年改定され、4月に施行される。「幼児期に育みたい資質・能力」など、小学校就学前までの指導のポイントがまとめられたというが、何が変わるのだろう。幼児教育に詳しい東北文教大短期大学部の奥山優佳教授(子ども学科副学科長)に聞いた。

奥山優佳教授
奥山優佳教授

  そもそも3法令とは

  保育の内容に関する国の基準です。これに沿って幼稚園や保育所などでは教育課程や保育計画を考えます。現場の先生たちのよりどころ、いわば学校教育の「学習指導要領」と同じです。

  具体的には

  学校に教科があるように▽健康(心身の健康)▽人間関係(人との関わり)▽環境(身近な環境との関わり)▽言葉(言語の獲得)▽表現(感性・表現)-の五つの領域があります。といっても、教科のように独立したものではなく、相互に関連しながら子どもの発達を促します。

  改定の背景は

  少子化である一方、待機児童が多いという現状があります。共働き、核家族化、ひとり親世帯の増加などを背景に保育のニーズが高まっています。

 現在、幼児教育は世界的に重視されています。考える力が育まれるのは実は幼児期。情報技術(IT)の高度化や自然災害など社会の変化は勢いを増し、予想のつかない時代です。未来を生きる子どもたちをどう育てていくかが、幼児教育に求められています。

  改定で変わった点は

  特徴の一つは「幼児期に育みたい資質・能力」を示したこと。先の五つの領域を▽知識、技能の基礎▽思考力、判断力、表現力の基礎▽学びに向かう力、人間性など-の三つの柱に整理しています。

 

 人の成長は連続しています。資質や能力は成長の過程で養っていくもので、幼児期から学校へと見通しを持って育てていこうという考え方になっています。

 この三つの視点を基に、「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿(10の姿)」も示されました。「育ってほしい」というと到達目標のように感じるかもしれませんが、そうではありません。小学校入学時までの子どもの成長をより具体的に捉えようという目安です。

  何だか難しそう…

  子どもたち自身が日々行っていることですよ。遊びの中での気付きは「知識」になるし、どうしたらうまくできるか考えることは「思考力」や「学びに向かう力」になります。

 例えば昆虫が好きな子どもがいるとします。お友達よりも今は昆虫にしか気持ちが向きません。保護者は気にするかもしれませんが、本人は庭で虫を探したり、描いたり、図鑑を開いたりして楽しくすごしているうちに、友達との関わりが生まれていくことでしょう。

 そこには「自然との関わり」など10の姿の一端がうかがえますよね。昆虫好きの友達ができたら「言葉による伝え合い」、知識や関心を共有する楽しさに気付くかもしれません。だから、その子がどんなことをしたいのか、何を必要としているのかに注目し、見守りながら導いていきます。

  家庭ではどんな取り組みができますか?

  発達のスピードは個々に違います。例えば10の姿に「自立」とありますが、いつ自立するかは人それぞれ。惑わされる必要はありません。

 「非認知能力」と言われますが、社会性や自己抑制といった数値化できない能力が幼児期によく育つとされています。大事なおもちゃだけど大好きな友達だから貸してあげる。やろうとして、できなかったけど考えて工夫する。ちょっとしたことだけど、そこには大きな気持ちの変化がある。それに気付くことができると、子育てはもっと面白くなるはずです。

2018年2月20日掲載
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