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病児保育の現場を訪ねて 山形市立病院済生館

 「保育園に通う子どもが急に発熱したけど、大事な仕事があって休めない」「熱は下がったけれど登園はできない。もう仕事を休めない」といった時、働くママやパパが病気の子どもを安心して預けることができるのが病児保育施設。困った時の強い味方として増えているが、自治体によって取り組みに差がある。3世代同居率が高い本県とはいえ、親族が近くにいない、祖父母も働いているなどの家庭もあり、こうした施設の整備を望む声は大きい。山形市内で実施している病児保育の現場を訪ねた。

将棋駒の折り方を教える阿部俊男さん(手前)=天童市わらべ館
将棋駒の折り方を教える阿部俊男さん(手前)=天童市わらべ館

 病児保育は、病気や回復期にある子どもを預かる事業。病気の症状に応じて、安定しているものの回復期に至っていない「病児対応型」、回復期でも保育所などに行けない「病後児対応型」、保育中に体調を崩した場合の一時的な「体調不良児対応型」などに分類される。県によると、県内ではこれらの施設は計64施設あり、県は「やまがた子育て応援プラン」(2015~19年度)の中で計73施設に増やす数値目標を掲げている。

 このうち、山形市立病院済生館内の病児・病後児保育室「ひなたぼっこ」は昨年10月に8階の病室を改修してオープンした。病状が悪化した際は小児科と連携し、アレルギーに配慮した食事の提供、インフルエンザやノロウイルスなどにも対応している。市民だけでなく、市内に保護者が勤務している場合も利用できるのが特徴だ。

 部屋は2部屋を病児、病後児で分け、定員は3人ずつ。1部屋が三つに間仕切りできるようになっている。各部屋には保育士と保育補助者が2人おり、坐薬(ざやく)などを投薬する際は、保育士が判断するのではなく、小児病棟の看護師にその都度相談しているという。具合が悪くなった場合でも小児科の医師が対応してくれるので安心だ。昼食はアレルギーに個別対応した小児用の病院食を提供しており、おやつもある。

 担当の保育士は「病気の子が別の感染症にかからないよう最も気を付けている。その子の普段の様子が分からないので、泣いている原因が具合が悪いからか、慣れない場所だからか分からない場合などもあり、体調の変化をしっかりと見極め、判断している」という。

 利用する子どものほとんどは風邪だが、この冬はインフルエンザが多かったという。10~3月末の利用者数は延べ212人。1人でも利用した日を含めると、利用率は約7割という。同施設の船山康宏管理課長補佐は「こうした施設があることを知らない人たちも多いと思うので、ぜひ必要な時に利用してほしい」と話す。

一人親世帯が対象の「訪問型」も―山形でNPOが展開

保育士の羽島瞳さん
保育士の羽島瞳さん

 病児保育には都内でニーズが高まっている「訪問型」もある。保育者が子どもの自宅に訪問して預かるサービスで、山形市内では一人親世帯を対象に、NPO法人「県ひとり親家庭福祉会」が昨年7月から展開している。

 訪問型は病気の子どもが外出することなく慣れた環境で療養でき、移動がないため親も負担が少ないなどのメリットがある。

 同福祉会では1歳から小学6年生までを対象に、強い感染性を持たない病気に限り、投薬する必要がなく、緊急時には親が対応できることなどを条件に実施している。また特別な事情で保護者が医療機関を受診できない場合は代行受診も行っている。訪問するのは介護職員初任者研修を受けた支援員で、子育ての経験豊富な60代の20人が登録している。利用料は一律1時間300円で、支援時間は基本的には午前9時~午後6時となっている。

 現在の登録は10世帯で、今年3月末までの派遣実績は12回。現在は山形市内のみで実施している。同福祉会の浅野孝事業推進部長は「支援員と保護者の事前のマッチングを図り、子どもが安心して過ごせるようにしている」とする。同会は今後、市外にもサービスエリアを広げたいとしており、浅野推進部長は「一人親でも安心して仕事や子育てができる環境を整えていきたい」と話す。

2018年4月17日掲載
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