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「産後うつ」ゼロへ 乳幼児子育てサポート協会・鈴木千恵さん(大江)

 出産後に女性が体調の変化や育児の不安、疲れなどで発症しやすい「産後うつ」。「無性に涙が止まらなくなる」「孤独感に襲われる」などの症状が現れる。深刻化した場合、子どもへの愛着を持てずに育児放棄や虐待につながる危険性が指摘されている。「産後うつ」ゼロの社会を目指して活動している全国組織「乳幼児子育てサポート協会」理事でアドバイザーを務める鈴木千恵さん(41)=大江町左沢=に体験談や取り組みなどを聞いた。

産後のママたちに寄り添う活動をしている鈴木千恵さん
産後のママたちに寄り添う活動をしている鈴木千恵さん

 鈴木さんは東京都荒川区出身で、大江町出身の夫(48)との結婚を機に同町に移り住んだ。現在は小学5年の長女(11)と小学2年の次女(7)の2児のママ。「産後うつ」のような症状が出たのは、結婚して4年後に生まれた1人目の出産後だった。当時は打ち解けて話すことができる相手がいなかった。今振り返ると、義理の両親はよくしてくれたが、そのサポートを素直に受け入れることができなかったという。夫の「きょう何していたの?」という何げない質問に対しても「何もせず、子育てだけしている」と思われているような感覚に陥るなど、すべてがマイナス思考だった。「私だけではなく、みんな経験していることで、これぐらい我慢できないと、辛抱強くないと思われてしまう」という思いが当時は強かったと振り返る。

 鈴木さんが「産後うつ」のような状況から脱することができたのは、ベビーマッサージ講座に参加し、同じような立場のママたちと悩みや思いを共有することができたことがきっかけだった。その後、夫の転勤で兵庫県に引っ越し、ベビーマッサージの資格を取得した。現地で4年過ごし、2014年に同町に戻ったことを機に産後のママに寄り添う活動を始めた。

 あるママから「病院に入院している間は手厚く見てもらえるけれど、退院後は何のフォローもない」というひと言が心に突き刺さっていると鈴木さん。一人で頑張っている母親たちの心に寄り添う活動が必要という思いを強くしたという。「『悩みがないです』という人ほど、周りにちゃんとしていると思われたい人。話をよく聞き、受け止めてあげることが大切」と強調する。

 鈴木さんは「子育てで忙しい時も、おしゃべりしたり、笑ったり、思いっきり楽しんでいる時間があっていい。ママたちが気軽に立ち寄れる場所をつくっていきたい」と話す。

 自分が「産後うつ」かもと思った時、どう対処したらいいのか―。産後うつを予防するための基礎知識や症状、対処方法を分かりやすくまとめたリーフレット「ママから笑顔がきえるとき」を昨年度、文京学院大(東京)が作成した。

 産後うつを発症する可能性は7~10人に1人という統計があることや、パパにも起こり得ることを紹介。産前産後の生活の変化、母性神話(思い込み)のほか、産後のママの気持ちの変化や対処法などが掲載されており、一人で抱え込まず、周りに助けを求めることの大切さを伝えている。

 妊娠中からできる予防策として▽産後3カ月までをどのように過ごし、誰が家事、子育てをサポートするのか家族の中で計画する▽産後に利用できるサービスを探しておくこと▽“MY保健師・助産師”を見つける―などを挙げている。

 リーフレットは同大HPで見ることができ、動画も作成。希望者には郵送するという。問い合わせは03(3814)1661。

2018年9月4日掲載
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