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「アトピー性皮膚炎」の正しい知識とスキンケア

講演する国立成育医療研究センター総合アレルギー科の福家辰樹医師
講演する国立成育医療研究センター総合アレルギー科の福家辰樹医師

 乾燥するこの時期、子どものスキンケアに悩む親も多いのではないだろうか。かゆみのある湿疹が良くなったり、悪くなったりを繰り返す「アトピー性皮膚炎」の正しい知識とスキンケアについて学ぶ講座が今月、山形市内で開かれた。講師は国立成育医療研究センター(東京)総合アレルギー科の福家辰樹医師。アトピー性皮膚炎の治療法などについて紹介する。

【東京・国立成育医療研究センター 福家辰樹医師】基本は洗浄と保湿剤―雑菌やカビ、悪化要因を除去

 アトピー性皮膚炎の診断基準は(1)かゆみがある(2)いろいろな湿疹(赤い、でこぼこ、ぼろぼろ、がさがさなど)がいろいろな場所(左右対称でおでこや目口耳の周り、首、肘、手首など)にできる(3)半年以上(1歳未満は2カ月以上)続く-の3点を満たすこと。赤ちゃんは頭や顔から始まり、体の下の方に広がり、幼児になると首や肘、膝の内側、大人では上半身に湿疹がよく出るという特徴がある。

 治療として▽丁寧に洗い、皮膚の表面をきれいにする=スキンケア▽軟こうでバリアーを作る=薬物治療▽外部からの刺激を減らす=悪化要因の除去-の三本柱が基本。悪化の要因として皮膚の雑菌、食事バランスの崩れ、不規則な生活、ダニやカビなどさまざまある。

 特に産まれてから4、5カ月たつと、皮脂の分泌が低下し、かさかさになりやすい。出生後から保湿剤を使用するとアトピー性皮膚炎の発症を予防できるという研究結果がある。

 スキンケアで大事なことは入浴や洗浄で皮膚を清潔に保つこと、保湿剤を用いバリアー機能を補うこと。せっけんをよく泡立てることが重要で、汚れを包み込みやすくなり、摩擦を減らし、泡が流れやすくなる。保湿剤を用いることで角質を柔軟化し、体内からの水分の蒸散やアレルゲンの体内侵入を防ぐ機能のほか、湿度が低い環境でも角層に水分を抱える作用がある。

 治療薬であるステロイド外用薬の副作用について過度に恐れる声も聞かれるが、適切に用いないと、治療が進まないだけでなく逆に湿疹がひどくなってしまうことになる。かゆくて眠れないといった場合は睡眠障害から成長にも影響が出るリスクが高まってしまう。ステロイド軟こうを塗って3~4日できれいになるのは皮膚の表層のみで、見た目はきれいになっても使用を減らしながら治療を続けることが必要だ。

 最近の研究から乳児期のアトピー性皮膚炎を長引かせることで、アレルギー体質が進んでしまう可能性があることが分かってきた。母親が妊娠中や授乳中にアレルギーになりやすい食物を除去したとしても、赤ちゃんのアトピー性皮膚炎や食物アレルギーの予防にはならないことも分かっている。乳児期の湿疹をしっかり治療することでアトピー性皮膚炎の発症予防につながる。

【米沢市立病院看護師・小児アレルギーエデュケーター 本間恵美さん】たっぷりの泡で洗おう

スキンケアのポイントについて説明する米沢市立病院看護師で小児アレルギーエデュケーターの本間恵美さん。逆さまにしても落ちないのが良い泡という
スキンケアのポイントについて説明する米沢市立病院看護師で小児アレルギーエデュケーターの本間恵美さん。逆さまにしても落ちないのが良い泡という

 米沢市立病院看護師で小児アレルギーエデュケーターの本間恵美さんが湿疹や皮膚炎予防に欠かせない正しいスキンケアの方法について教えてくれた。

 スキンケアでは肌を清潔に保つため「洗う」ことと、乾燥やかゆみから防御するために保湿剤などを「塗る」ことの二つが重要となる。洗う際のポイントとして、きめ細かい、たっぷりの泡で、しわをのばして洗い、しっかりすすぐことが大切となってくる。

 塗り方は(1)入浴後、水分を拭き取ったらすぐに(2)たっぷりと皮膚にのせるように付ける(3)適切量を用いる(4)しわをのばす-の4点が基本。湿疹や乾燥で皮膚が荒れていると、水分が蒸発しやすいので、入浴後10分以内がいい。頭皮の場合は髪を分けて地肌を出し、ローションタイプでは薬をたらして指で押さえるようにのばす。2センチ置きに髪を分けて全体に付けてほしい。

 チューブの薬は大人の人さし指の先から第一関節まで出した量(約0.5グラム)が目安として用いられる。大人の両手のひら分の面積に塗る量とされる。塗りたい場所の数カ所に分けて薬をのせて、手のひらで均等にのばすように塗り広げてみてほしい。

大人の人さし指の先から第一関節までが約0.5グラム
大人の人さし指の先から第一関節までが約0.5グラム
 【メモ】小児アレルギーエデュケーターとは、日本小児臨床アレルギー学会が認定するアレルギー疾患専門の医療従事者のこと。全国には約400人おり、県内では3人が認定されている。看護師や薬剤師、管理栄養士が取得可能。
2019年2月19日掲載
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