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身守るすべ、幼少期から 防災・減災ファシリテーターの細谷さんに聞く

	女性や子育ての視点に立った取り組みを伝える防災・減災ファシリテーターの細谷真紀子さん
女性や子育ての視点に立った取り組みを伝える防災・減災ファシリテーターの細谷真紀子さん

 東日本大震災から間もなく8年。災害はいつどこで起こるか分からない。家庭での日頃の備えは大丈夫だろうか。女性や子育ての視点に立った取り組みを伝える防災・減災ファシリテーターの細谷真紀子さん(41)=山形市=に活動を始めたきっかけや必要な備え、心構えなどを聞いた。

 東根市出身で小さい頃から家族の消防団活動を間近に見ており、万が一に備えることが当たり前という家庭に育った。建築士として設計事務所で勤務していたが、長女の妊娠を機に退職。2011年3月の東日本大震災発生の数日前、長女が通っていた認定こども園で震度4の地震に遭遇した際、子どもたちが身を守る行動ができていないことや、災害時に保護者との連絡手段の取り決めなどが理解されていない現状に衝撃を受けた。

 

 「このままではダメだ」と思い立ち、防災士の資格を取得し、防災・減災の大切さを広める活動をスタート。6年前に山形市に引っ越し、子育て支援ボランティアを機に、保育士の資格も取得した。日常生活の中で親が子どもと一緒に楽しみながらできる防災などをアドバイスしてきた。 

 子どもが成長し、大学や就職などで大地震の発生率が高い地域に行くことがあるかもしれないが、小さい頃から自分の身を守るすべを教えておくことが何より重要。万が一の際にも落ち着いて行動できるように対処法を共有しておくことで、親と離れた場所にいた場合でも迎えに行くまでの安心感にもつながる。

 また、地域の防災訓練でも子育て世帯が興味を持って参加するような訓練を取り入れてほしい。公的機関による「公助」には限界があり、そのために地域で支え合う「共助」は欠かせない。災害時、特に共働き世帯などの場合は地域に頼らなければならないことが出てくるかもしれない。親が家にいない時、地域との付き合いがあれば心強い。

 物流は災害が起きれば、ストップしてしまい、その時、自宅に必要な物を備えておけば、少しの間はしのぐことができる。まずは家の中の危険な点を知ることから始めてほしい。常に最大震度が襲ってくることを念頭に置いて、自分の「守りたいものが何か」という点から考えると、やるべきことが見えてくる。

 子育て世帯は、子どもを守るには何ができるか考えることから始めても良いのでは。家の中で物が(1)落ちる(2)割れる(3)飛ぶ(4)倒れる(5)動く-という可能性があるもののイメージをしてみて。逃げる際の動線に倒れる物を置かない、冷蔵庫の中身が出てこないようにチャイルドロックを付けたり、倒れるのを防ぐために壁に固定したりしておくことのもおすすめだ。中に保存している食料を守ることができれば、災害時でも普段口にしている食べ物に近いものを食べて、自宅で生き延びることにつながる。普段から食べ慣れている食料などを少し多めに買っておき、使ったら使った分だけ新しく買い足していく方法「ローリングストック」を取り入れてみてほしい。

 また災害用伝言ダイヤル「171」は普段から子どもと一緒に使い方を学んでみてはどうだろう。災害用伝言板「Web171」もあるので活用してほしい。子どもに緊急連絡先カードを持たせたり、重度のアレルギーがある子どもには「ヘルプカード」を身に着けさせたりすることも避難所で役に立つかもしれない。子どもと散歩する時でも一緒に通学路の危険箇所をチェックしたり、河川などで起こり得る危険性を考えたりしてみては。買い物の時でも非常口マークを探してみるなどし、子どもに興味を持ってもらうことで知識が広がっていく。

 災害は非日常と思っている人が多いが、被災時も日常であり、その日常をどのように継続していくかが防災だと考えている。これが必要だとか、これを持っていれば安心という物は、人それぞれのライフスタイルによって異なるので一概には言えない。防災は「生きる力」そのもの。まずは自分の守りたいもののために、何ができるか想像力を巡らせてみてほしい。

ポリ袋、吸水シートなどでトイレの備え

 細谷さんは、万人共通のトイレの備えの重要性について強調する。風呂の水を災害時のトイレを流すためにためておくという声が聞かれるが、実は流してはいけない。排水設備や下水道、浄化槽が地震の影響で役割を果たせなくなっている場合があるからだ。その時に役立つのが透明ポリ袋(45リットル入り)と、黒いポリ袋、水分を吸収するポリマーシート(吸水ポリマーも可)、おむつ用の防臭袋。自宅以外で用を足す場合にでも役立つので、ぜひ持ち歩いてほしい。

(1)透明ポリ袋で便器全体を覆い、ポリマーシートを入れた黒いポリ袋をのせる
(1)透明ポリ袋で便器全体を覆い、ポリマーシートを入れた黒いポリ袋をのせる
(2)汚物を入れて結ぶ
(2)汚物を入れて結ぶ
(3)防臭袋に入れる
(3)防臭袋に入れる
2019年3月5日掲載
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