昔あったけど。あっ所さ少す(※)頭足んなえ娘えだけど。ほの娘嫁行ぐごどえなたけど。母親心配して「嫁行ったら立派な言葉使わんなねぞ。(※)『おまま』(※)『おさえ』。何でも『お』つけらんなねもんだ」て言ったけど。「んだが。わがた」て、娘嫁行ったけど。
あっどぎ、嫁(※)流すさ居だどぎ、障子の穴がら風入てきて、柱さ吊しった擂り粉木「ばだばだ」鳴ったけど。嫁ぁたまげで、「おっかさ、おっかさ。お障子のお穴がらお風がお入り、お擂り粉木がおぱたらおぱたらて泣えっだ」て、叫んだけど。(※)姑かが、あぎれで「何にも、かにも『お』つけるもんでなえ。気つけろ」て言ったけど。「はえ」て嫁言ったけど。
ほのうず、嫁、(※)飯仕舞終わて、(※)おどつぁど(※)おっかさどご呼び行ったけど。ほんでも「『お』つけんな」て言わっだもんださげ「どつぁ、かさ。早ぐ来て飯食ぇ」て言ったけど。
ほんで、姑かが「こがえた嫁こ、俺えの家さ置がんなえ」と言って、嫁どご出してやったけどぁ。
とんび すかんこ なえけど。