昔のごんだけど。隣の大っきな国の殿様がら「打だね太鼓でも鳴る太鼓ていうのがあるど聞いでる。そいづを作って持ってこなげれば、軍隊を送って、占領してしまうぞ」ていう文書が届いだど。
「そいづは困った。(※)そんげな太鼓なて、聞いだごどもなえ。そんでも、隣の大国がら取り上げらっだら、そりゃ大変だ」て、あちこぢさ立で札で、人びどに知らせだど。
稼ぐのが嫌だくて、3年も寝だっきりな男は「そんなのは、(※)いど易いごどだ」て言うもんだがら、村の人だぢは「寝太郎などに解げるはずない」ど、相手にもしなかったど。とごろが3日もして、寝太郎がら太鼓が届いだど。
なるほど、太鼓を持つど、ぽんぽんて中で歌うだってるみだいに聞こえるんだど。それもそのはず、太鼓の皮には紙ば張って、中にいっぱい蜂ば入れだもんで、手さ持づど、蜂がさわいで、太鼓が鳴ってるみだいに聞こえるんだけど。
そればそのまま、隣の大国の殿様さ送ったもんだがら「これは不思議なもんだ。中がどんなごどになってるんだべ」て、太鼓の紙ば(※)はがしたがら、たまらね。殿様はじめ、奥方や家来がみな刺さっで、殿様も着物の袖で顔をかぐしたけど。3年も寝でるあいだにいろいろな知恵がついだんだど。とうびんと。