昔、
昔あったけど。
大石田の町がら、尾花沢の延沢さ、(※)むがさって行った嫁子えだけど。
ほうしたらほの夫は、大きな往復鼾かぎだけど。
ほの鼾ァ、部屋の障子に響いて「ブゥー」「ブゥー」ど音すんなだど。
嫁子ァ困って夜も眠らんない。そんで顔色ァ悪ぐなてきたけど。
嫁子の爺様が「物は使いようで、いろいろな使い方がでぎるもんだ」ど話しておったのを思い出し、夫の鼾を何がに使えないがど考えだけど。
これはきっと、肩や背中の按摩になんなでないがど思いつぎ、鼾をかいで眠っている夫を、あっつにひっくり返したり、こっつにひっくり返したりして、肩や背中、足、腰の按摩に使ってみだけど。
ほうしたら、大変具合が良いけど。
それがらは毎晩夫の鼾を按摩に使ったら、嫁子はたずまず丈夫になって、鼾の夫がえねど困るよえなってすまたけど。
んだはげ、なえでも使い方は工夫してみらんなねもんだど。
ドンビン。