昔、昔あったけど。
谷地のある所に、立派な旦那の家ど、その隣に貧乏暮らすの爺様ど婆様の家があったど。
爺様ど婆様は生ぎ物の面倒見が良いさげ、鼠がどんどん増えでえぐけど。
ある時、爺様の肥っだ鼠ど、痩せな旦那の鼠が相撲取り始めだけど。
爺様の鼠は、旦那の痩せ鼠ば、ステン、ステンと投げ飛ばしたけど。爺様良い気になって、応援しったけど。
旦那の痩せ鼠は「まいった、まいった」と言ったけど。
痩せ鼠は、爺様の鼠さ「なしてこだえ(※)あらえなだ。力の出る方法教えでけろ」と頼んだけど。
爺様の鼠は「ほだな(※)じょさなえ。爺様ど婆様がら、俺ら力餅食わせでもらってるさげよう。力出るようになっだえなら、今夜力餅(※)こせでもらって食せるが、ほだげんと爺様ど婆様は米もないさげおまえだ旦那の蔵がら、こっそら米もってこえ」ど言ったけど。
したら旦那の鼠達は「俺家の(※)ねっぴり旦那、俺達に飯食せねさげ痩せだんだ」ど言って、夕方米と大判小判を(※)たがえで、大勢で爺様婆様の家さ(※)よばれで来たけど。
爺様ど婆様、大判小判で米買って来て、力餅作って食わせだら、毎晩痩せ鼠達は、蔵がら大判小判、米など持ってきて力餅を食わせでもらっているうぢに、爺様婆様の家は旦那の家より大金持ぢになっておったけど。ドンビン。