むがしあったけど。3人兄弟があって、それぞれがみごどな屁をひったもんだど。
一番上の兄は「誰だ、今入ったのは誰だ」という屁をたれるもんだど。2番目の兄は「何を盗るつもりか」という屁をひるんだど。弟は「もうお帰りがはぁ」て、屁をひるんだど。
それに目をつけだ長者さまが、「よし、ほんじゃ、おらの家の蔵の泥棒の番に雇うごどにするべぇ」て、「昼間は働がねくてええがら、いっぱい食って、夜になたら蔵で寝でくろ」てだど。
長者の蔵の大判・小判に目つけだ泥棒が、ある晩、(※)そろっと蔵に入ってきたど。したらさっそく一番兄が「誰だ、今入ったのは誰だ」て屁たれたど。泥棒は「何だ、屁でないが。さて、大判・小判はどごの蔵だべ」て、あちこち、きょろきょろと見でいだどご、2番兄が「何を盗るつもりか」て大きな屁をひったもんだがら、これには泥棒も(※)だえぎりまいってしまって、「駄目だこりゃ、ここの家はとっても入らんね」て、そろっと逃げ出そうどしたら、弟は「もうお帰りがはぁ」て、屁をたれだど。
泥棒は、冷や汗かぎながら、やっと逃げ出したんだど。屁も(※)こがえに役に立づもんだ。とーびんと。