むがしあったけど。嫁と姑は仲悪れもんでよ。和尚さまが(※)持斎にござって、風鈴をふるもんだったど。そごで姑が嫁さ言うたど。
「和尚さまの風鈴は、よぐ響ぐもんだごど」。したら、嫁はすぐ言い返したど。「あいづは風鈴でなくて、法鈴だて聞いできたもんだげんどな」
「何語ってる。嫁の分際で。風鈴て言うもんだ」「なんぼ(※)おっかさまだって、法鈴は法鈴だ」て、お互いに譲らねぇ。
そごでこっそり嫁は銭二百文持って、和尚さまさ行って「うぢの姑おっかさまが風鈴だど言うげんども、法鈴だよね」
「ああ、そう言うな」て、和尚さまが言うたど。
しばらぐしたら、三百文持って姑が和尚さまさ来たど。「嫁は法鈴と言うげんでも、風鈴だよね。嫁が来たら、風鈴て(※)教えでおごやい」
「うん、風鈴とも言うなぁ」ていだどごさ、嫁も来たど。姑と嫁はつかみ合いの喧嘩になっどごだったど。したら、和尚さまは「そりゃ風鈴とも言うが、法鈴とも言うもんで、本当の名前は〈四百ぶらりん〉で言うもんだ」。
和尚さまは四百文もうがったど。とうびんと。