むがしあったけど。あるどさ、夫婦ねずみのあいださ、なんぼがめんごい娘ねずみが生まっだど。
「これはええ娘だがら、何とがして、世界で一番えらい者の嫁にやりだい」て、あっち聞ぎ、こっち聞ぎしたら、やっぱり世界で一番はお天道さまだというごどえなって、行って頼んだど。そのうぢに雲が出できたんだど。
「おれ、もらいだいて(※)味つけだげんど、雲出られじゃ、何ともなんね。雲さ頼んだ方がええ」てだど。
さっそぐ雲さ行って頼んだら、「おらよりえらい者いる。おれ、厚い雲にすんべど思たて、風から吹っ飛ばされれば、とっても手におえね。風さ行ってみろ」て言わっで、風どさ行ったど。
「おらも、あんだの娘ば嫁にしたいげんども、そいづぁ土手だ。高い土手()があっど、平らに吹き通さんねで、止められる。えらいのは土手()の方だべ」
ねずみの親は、すぐに土手()に走って行ったど。
「どうが、おらの娘を嫁にしてけろ。あなだが世界で一番えらいて言()うがら…」
「いやいや、とんでもない。ねずみどのからあちこち、穴開げらっで困ってるんだ」てだど。
やっぱりねずみの娘は、ねずみのどごろさ嫁に行ったんだど。とうびんと。