〈モンテディオ山形―ヴァンフォーレ甲府〉球際で激しさを出し続けたモンテディオイレブン。写真は後半、プレスを掛けてボールを奪うFWリチェーリ(右)とMF宮沢克行(中央)=天童市・NDソフトスタジアム山形
サッカーJ2は第5節第1日の29日、5試合を行った。モンテディオ山形は天童市のNDソフトスタジアム山形で甲府と対戦、0−0で引き分けてホーム初勝利を逃した。通算成績は1勝1分け2敗。
山形は前半、ショートパスを多用して攻撃を組み立てる甲府に押し込まれたが、激しい守備でゴールを許さず試合の流れを引き寄せた。後半からU−23日本代表として先のアンゴラ戦に出場したFW豊田陽平を投入。サイドを起点に、高さのある豊田にボールを集めて相手ゴールに迫ったが決め手を欠いた。
山形は第6節最終日の4月6日、熊本県民総合運動公園陸上競技場で、今季J2に参入した熊本と対戦する。
【戦 評】
速攻で好機をつくりながら決め手を欠き、山形が甲府と引き分けた。山形はボールを奪った後、手数を掛けないシンプルな攻撃で相手ゴールに迫った。それでもクロスボールの出し手と受け手の呼吸が合わず、FW陣がGKとの1対1を外すなどゴールは遠かった。ディフェンスでは全員が高い守備意識を保ち、今季初の無失点と健闘した。
モンテ堅守復活、今季初無失点
崩壊した守備の立て直しに成功した。甲府側が弱点と読んでいたクロスボールへの対応は「マークを外すことはなかった」(小林伸二監督)ほど光った堅守。ホーム初白星を逃したものの、手応えの多い一戦だった。
5失点で完敗した第3節の岐阜戦。「同じことを繰り返したくなかった」とイレブンは口々に強調した。受け身になって後手に回った岐阜戦とは見違えるほど、個々の労を惜しまぬ走りが際立った。押し込まれる時間帯が続いた前半、球際で激しさを前面に出しボールを奪取。「しっかりとディフェンスしていれば、チャンスはつくれるということ」とMF宮沢克行。辛抱強く戦って試合の流れを引き寄せ、後半の猛攻につなげた。
もちろん、ノーゴールという結果には誰も満足していない。「チャンスはあっても精度が悪かった」と小林監督。サイドを起点に相手DFを崩しながらシュートが決まらず、サポーターから深いため息が漏れるシーンは多かった。ただ、大敗を引きずることなく強豪を相手に無失点で連敗を回避。無得点という事実を差し引いても、意味のある引き分けだった。
「(守備の修正は)練習で手応えがあったし、それを信じて戦った」とGK清水健太。宮沢は「(この試合で)できたことを続けるのが大事」。そう語る選手たちが、この勝ち点1の価値を最も理解していた。
課題ひとつクリア
モンテディオ山形・小林伸二監督の話 前試合5失点だった守備を改善し、クロスに対してまったく(マークを)外さなかった。課題はひとつクリアできた。守備がしっかりしてくればリラックスしてシュートが打てる。今度は点を取れるだろう。勝ち点1、引き分けという結果はOKだ。
シュート4本、存在感−豊田
U−23(23歳以下)日本代表としてアンゴラとの国際親善試合(27日)で1得点した山形のFW豊田陽平が後半から出場。中1日の疲れも見せず4本のシュートを放つなど存在感を示した。
ひときわ大きな声援を浴びたがゴールは奪えず「期待に応えることができず悔しい気持ちでいっぱい」と重い口調。「勝ったわけではないので笑顔で手を振ることができなかった」とサポーターへの“謝罪”を重ねた後、「次の試合まで1週間ある。良いコンディションにしてがむしゃらにやる」と熊本戦での爆発を誓った。
木藤、役割果たす
けがのDF石川竜也に代わって左サイドバックに入ったDF木藤健太が、根気強く守り抜き今季初先発を飾った。
守備が崩壊した岐阜戦の反省を踏まえ、「うるさいくらい」に声を出し合ってマークを確認。相手FWの出入りをチェック、細かいパスによる攻撃に対してもボランチとの連係で決定機を防いだ。「トレーニングから100%で臨み、それを出せた。大きな収穫で、これをベースにチームも自分ももう一段階上にいきたい」。自身の“開幕ゲーム”で役割を果たし、充足感を漂わせていた。
雲仙市長が観戦
今季、チームが1次キャンプを行った長崎県雲仙市の奥村慎太郎市長が29日、天童市のNDソフトスタジアム山形を訪れ、山形−甲府を観戦した。
キャンプの交通費を負担するなど、山形をバックアップした雲仙市。ハーフタイム中、奥村市長は「小中学生を中心に(雲仙市に)モンテディオのサポーターが増えている。今後、九州での試合は応援を任せてください」とあいさつ。山形サポーターは「ありがとう雲仙」コールで感謝していた。