県内ニュース「上杉本洛中洛外図屏風」に曲をつける 若手音楽家5人が創作へ
2009年05月26日 20:51
米沢市上杉博物館が所蔵する国宝「上杉本洛中洛外図屏風(うえすぎぼんらくちゅうらくがいずびょうぶ)」をテーマにした曲作りに、東京都などの若手音楽家5人が取り組んでいる。織田信長が上杉謙信に贈ったとされ、米沢藩上杉家に伝来した国宝に触れた現代の音楽家たちが、何を感じ、音でどう表現するのか−。来春、米沢市内でコンサートを開き、市民に発表する。作曲に取り組んでいるのは、東京都のサクソホン奏者鈴木広志さん(30)、ピアニスト大口俊輔さん(28)、コントラバス奏者東保光さん(38)、打楽器奏者小林武文さん(37)と、宮城県の作曲家大場陽子さん(34)の5人。いずれも全国で活躍する新進気鋭の若手音楽家だ。 昨秋、上杉博物館から企画を持ち掛けられた鈴木さんと大場さんが「面白そう」と仕事仲間3人に参加を呼び掛けた。屏風をテーマに作曲する「全国でも例がない」(同館)取り組みに、興味を引かれ、二つ返事で承諾した。 「上杉本洛中洛外図屏風」は、安土桃山時代を代表する画家の狩野永徳筆と伝わる六曲一双の屏風。1574(天正2)年に織田信長が上杉謙信に贈ったとされ、米沢藩上杉家に伝来したことから「上杉本」と呼ばれる。金箔(きんぱく)をふんだんに使い、15世紀半ばの京都の様子を四季を交えて生き生きと描写。1989年に上杉家から市に寄贈され、95年国宝になった。国の取り扱い規程により、年60日しか一般公開されない逸品だ。 5人は4月下旬、県内でのコンサートツアーに合わせて来館し、同館学芸員のレクチャーを受けながら、本物をじっくりと鑑賞。鈴木さんが「人物の表情などユーモラスな様子に目を奪われた」と言えば、「見る角度や距離によって受ける印象が違い、ドラマ性のある屏風だ」と大口さん。東保さんは「想像力をかき立てられる作品」と話し、小林さんは「この1年、曲づくりが楽しめそう」と創作意欲が沸いた様子だ。 コンサートは来年3月14日、伝国の杜置賜文化ホールで開かれ、5人が作った曲が市民に初めて公開される。大場さんは「屏風制作から450年以上がたち、今、私たちが音楽化する。その時の流れを曲で表現したい。ぜひコンサートに足を運んでほしい」と話している。
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