県内ニュース受刑者の人権救済申立書「検査」は「人権侵害」 県弁護士会、山形刑務所に勧告
2012年05月29日 07:44
人権侵害に関する勧告を行った経緯を説明する佐藤欣哉弁護士(左)ら=山形市・県弁護士会館
同委員会によると、この受刑者が2010年5月、県弁護士会に人権救済を求める封書を出そうとした際、刑務所側は開封し内容などを検査するとした。文書は、刑務官の自身への対応など処遇に関する内容だったため、受刑者は「中身を見られれば、問題を隠蔽(いんぺい)される」と懸念。検査を受けない代わりに職員の前で封をし、異物混入などがないことを明らかにするとしたが、認められなかった。そのため、内容を変更。処遇に関する訴えは書かず、検査を求められた一連の経緯だけを記した文書を同弁護士会に送った。 同委員会は、この文書を10年6月に受け、調査を開始。受刑者と面会し、刑務所側にも事実を確認後、対応は人権侵害に当たると判断した。勧告は今月25日付。 刑事収容施設・被収容者処遇法では、原則として外部への手紙など信書の検査は行わないとしているが、弁護士とのやりとりについては「必要な限度において検査する」と規定している。同委員会は、「弁護士に対する信書であることが確認できれば十分で、開封して中身まで確認する必要はない」と指摘。調査報告書では、人権救済を求める内容であれば、刑務所の秩序を乱す恐れがない限り、「自由かつ秘密のコミュニケーションの保障が不可欠」と主張している。 山形新聞の取材に対し、同刑務所の宮崎哲夫所長は「施設の処遇は法令に基づく適切なものであり、勧告は弁護士会独自の見解に基づくものと考えている」とコメントした。県弁護士会は10年以降、数回にわたって受刑者の処遇などについて勧告しているが、同刑務所は改善や是正がなされたか明らかにしていない。佐藤弁護士は「刑務所内部の実態は把握できていない。勧告の結果を検証する必要がある」としている。
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