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舞った魅せた50年~私と山形花笠まつり(2) 県民踊協会長・鈴木豊喜与さん

2012年07月04日 08:01
県民踊協会の鈴木豊喜与さん=山形市桧町1丁目の自宅
県民踊協会の鈴木豊喜与さん=山形市桧町1丁目の自宅
 民踊、花笠音頭との出会いは。

 「戦前は踊れる状況ではありませんでした。国鉄に勤めていた夫の転勤で1954(昭和29)年に広島県に引っ越しました。民踊を習い始めたのはそれからです。子育てをしながらね。花笠音頭は有名で、広島では花笠が手に入らないから竹を輪に組んで花を付けて、笠に見立てて踊ったんです。山形生まれだから上手と褒められてね」

 山形花笠まつりには初期から参加しています。

 「夫を亡くして一大決心をして、66年に山形に戻りました。42歳でした。民踊の師範として活動し、その年に県民踊協会を立ち上げました」

 花笠踊りの指導に奔走しました。

 「最初は県内各地の婦人会を回って、花笠踊りの原型を教えました。どこにでも行き、たくさんの踊りのグループに教えました。協会は『踊りの輪を人の和に』がモットー。花笠踊りを教えるときは、明るく元気なおはやしを心掛けるようにと伝えています」

 花笠は海外でも人気です。

 「花笠踊りは山形や東北だけでなく、日本の代表として海外で披露されています。世界中を歩きましたねえ。ベルギー・ブリュッセルでは石畳を歩くのが大変で、足元ががたがたで落ち着かなくて。約50人でパレードしました。着物姿で手ぬぐいをかぶっているでしょう。足袋や草履も珍しいみたいで、とても喜ばれました。庄内空港が完成した時は飛行機をチャーターして中国・ハルビンに行き、120人で一斉に踊りました。どこに行っても受けました。笠を持って大勢でパレードする姿は、他の踊りと比べても華やかだし、きれいだものね」

 観衆を巻き込んで踊るのも楽しみの1つ。

 「『ジャパン』『花笠、フラワーハットダンス』『やっしょうまかしょ、プリーズ』と、英語を交えて呼び掛けます。手拍子してもらったりしてね。『ワンダフル』なんて言ってもらって、いい思い出ですね」

 花笠まつりでも沿道と一緒に盛り上がる。

 「山形の人は気が優しくておとなしくて、黙って見ている人が多いんです。だから足が痛くて踊れないという会員に、沿道から大声で応援してもらったときもありました。応援の“さくら”です。沿道も踊り手も『やっしょうまかしょ』と大きな声を張り上げました。そんな遊び心を持って踊った時もありました。見ている人が応援してくれたら、踊っている方も笑顔になります。元気なパレードにしたいし、また来ようと思ってもらえる花笠まつりにしたいですからね」

 今後への期待は。

 「最初は婦人会ばかりでしたけれど、次第に企業が交ざり、今は子どもたちや若者も多いですよね。とても良いこと。最近は大学生らが熱心で、パレード前に観光客らに踊りを教えています。こういった若者を支援したくて、指導に参加しています。協会員は約2000人、踊り手の後継者はたくさんいます。県民1人残らず花笠踊りを踊れるように広めていきたいです。祭りも続けることが大切。私は今年もひ孫と踊りますよ」

 すずき・とよきよ 故郷山形市に1966(昭和41)年に戻り、第3回山形花笠まつりには地元婦人会の一員として参加。その年の11月に県民踊協会を立ち上げた。当時、パレードの主力だった県内各地の婦人会を回って花笠踊りを教え、普及に尽力。国内外で踊りを披露している。

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