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知事任期満了まで半年、各党の思惑 吉村氏は推薦願出さず

2012年08月10日 11:20
 次期知事選に向け、再選出馬する考えを表明した吉村美栄子知事は間もなく、任期満了(2013年2月13日)まで半年という節目を迎える。吉村氏の後援会「あったかい県政を支援する会」は先の役員会で、初当選した前回と同様に「県民党」の立場を強調し、政党に推薦願を提出しない方針を決定した。県内の全35市町村長が吉村氏支援を打ち出し、現職の無投票当選がささやかれる中、今後最大の焦点は自民党が対抗馬を擁立するかどうか。各党の思惑、現在置かれた状況を探った。

吉村美栄子知事(右から2人目)は自身の後援会役員と県内5政党を訪問、再選出馬表明を報告するとともに支援を要請した=2日、山形市・自民党県連
吉村美栄子知事(右から2人目)は自身の後援会役員と県内5政党を訪問、再選出馬表明を報告するとともに支援を要請した=2日、山形市・自民党県連
【自民】対抗馬に否定的声も
 前回の知事選で、県議会最大会派の自民はほとんどの議員が当時現職の斎藤弘氏を支援、吉村氏と敵対した。しかし、吉村県政の進展とともに知事寄りの姿勢を示す議員が徐々に増え、会派32人のうち23人が「あったかい県政を勉強する議員の会」に名を連ね、県議会定例会ごとに吉村氏と高橋節副知事を迎える勉強会を開催、県政の主要施策に対する理解を深め、意見交換している。

 県議会6月定例会で会派の志田英紀代表が本会議の代表質問に立ち、2期目に向けた吉村氏の意欲ある答弁につながった。会派内には「知事の意向を踏まえ、代表が再選出馬表明をお膳立てした責任は重い」「知事のやる気を引き出しておいて、対抗馬を擁立するようなことはできない」との声があるが、志田氏は「知事選の前に衆院選が行われる可能性が高まっている。吉村知事が特定候補の応援に動けば、県連としての対応を明確にする必要が出てくる」とけん制する。

 その一方で、県内の全市長、県町村会の全町村長、県町村議会議長会の全議長、さらに多くの団体がこぞって吉村氏推薦、支持を表明している状況を踏まえ、ある中堅県議は「これだけ地域が固まってしまえば、現実問題として対抗馬を擁立するのは困難だ」と胸中を明かす。「寄らば大樹の陰」との批判もあるが、次期知事選で吉村氏を支援することを自らの後援会で早々と決定した県議も少なくない。

【民主】前回同様に支援
 民主党県連は前回と同様に吉村氏を支援する方針を決めた。7月8日の定期大会で、知事選の勝利を活動方針の一つに掲げた。

 大会の終了後、県連会長の就任会見に臨んだ鹿野道彦衆院議員は「対話を重視し、県民と連携を図りながら県政を進める姿勢は大いに評価できる」と強調し、政権与党として吉村氏を力強く後押しする姿勢を鮮明にしたが、支援活動が本格化するのはもう少し先になりそうだ。

【社民】卒原発など政策評価
 社民党県連は7月14日の常任幹事会で吉村氏を支持することを決定、引き続き開催した定期大会で承認された。吉村氏から要請はなかったが、卒原発をアピールし、県政の重要課題として再生可能エネルギーの導入促進を掲げ取り組んでいることなどを評価、吉村氏寄りの姿勢を打ち出した。

 高橋啓介幹事長は「当面は次期衆院選の対応が焦点で、知事選に関する具体的な対応を決定するのはこれから」としている。

【公明】所属議員には温度差
 吉村氏は2日午後、公務の合間を縫って県内5政党を訪問。再選出馬を表明したことを報告し、口頭で支援を求めた。公明党県本部は秋葉雄副幹事長が対応、吉村氏がこれまでに党の集会、政治フォーラムに一度も出席したことがないことを踏まえ「知事選に向けたマニフェストの検討に合わせ、党の所属議員による集会にぜひ出席し、われわれの政策提案や要望を聞いてほしい」と述べ、支援の可能性を示唆した。

 前回の知事選は自主投票で、党員によって対応が分かれた。寒河江政好代表は「支持者の多くが吉村氏に好感を抱いている」と話すが、集会に出席したことがない吉村氏に対する党所属議員の評価には温度差があり、党として支援するには、この溝を埋める必要がありそうだ。仮に自民が対抗馬を擁立した場合、寒河江代表は「是々非々で対応する」と見通している。

【共産】政策合意へ本格協議
 前回の知事選で、当初は独自候補の擁立を模索した共産党県委員会。吉村氏の出馬表明後、政策合意に至り、支援を決定した。吉村氏の選対に入ることはなかったが、独自の支援態勢で吉村県政誕生に貢献した。

 同委員会を2日午後に訪れた吉村氏に対し、本間和也委員長は「推薦願に基づいて各党が推薦すれば、それぞれの党の考え、政策をじっくり聞かなければならない。仮にそうなれば、われわれの判断にも関わってくる」として、再三にわたって政党に推薦願を出さないよう要請した。

 その一方で、同委員会は前回に引き続き吉村氏と政策合意を目指す方針で、近く本格的な協議に入る。最上小国川ダム建設の是非など見解の相違はあるが、県政運営を全体的に評価しており、政策合意の上で吉村氏支援を決定する見通し。

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