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平清水焼の原料、石の確保困難に? 千歳山山腹工事で激減

2012年08月19日 11:05
平清水焼に使われる「赤」の陶石採掘場。写真上部奧の部分で山腹工事が行われた=山形市
平清水焼に使われる「赤」の陶石採掘場。写真上部奧の部分で山腹工事が行われた=山形市
 山形市の伝統工芸・平清水焼の窯元が、将来的に原料となる石の確保ができなくなるのではという不安に直面している。原料は同市にある千歳山の国有林から自然崩落する石だが、山腹工事により自然崩落が激減したためだ。現在は在庫を使用しているが、先が見通せない状況が続いている。

 平清水焼は千歳山の南東部から採取した石を砕いて利用するのが特徴。陶石採掘場は2カ所あり、それぞれ「赤」「青」と呼ばれ、異なる陶石が取れる。石は「副産物」という形で、平清水陶磁器組合が山形森林管理署と売買契約を結び、払い下げを受けている。

 同組合によると、在庫の状況もあり毎年購入しているわけではないが、ここ十数年は6~8立方メートル当たり11万~14万円ほどで払い下げられているケースが多い。

 山腹工事は松枯れ被害や土砂流出、落石を防止するため、同管理署が行った千歳山地区生活環境保全林整備事業(2008~12年度)の一環。遊歩道への落石や土砂崩れの危険が高い「赤」の部分のみが対象となり、08年10月から翌09年3月にかけて行われた。岩壁に金網を張るなどして崩落しにくくする工法を採用している。

 整備事業は地元住民らの要望を受けて計画。工事開始前、同管理署は同組合も入る「千歳山自然休養林保護管理協議会」で「工事については説明した」としているのに対し、同組合側は「原料が取れなくなるとは聞いていない」と困惑している。

 同組合に加盟する三つの窯元のうち七右エ門窯は「赤」をメーンに使い、陶芸教室を開催するなど、原料使用量も多いため、他の窯元より影響は大きい。工事完了後から、市も交え同管理署と話し合い、当面は過去に崩落した残土を使用する方向で調整を進めている。

 しかし、七右エ門窯の6代目予定者の高橋道和さん(63)は「残土で数年は持つと思うが、将来の不安はなくならない」と話す。「『青』も試したが、七右エ門窯の特徴は出なかった。伝統を守りたいが、安全のためといわれればつらい。今のところは原料をより大切に使っていくしかない」と、状況は切実だ。

 「青」だけを使う他の窯元の関係者からも「『赤』と『青』があって平清水焼」と、現状の改善を望む声が聞かれる。

 同管理署は今後について「観光や地域振興を目的に市などから何か提案があれば考える」というスタンス。市では「安全対策も地場産業の保全もどちらも大事。残土があるので当面は大丈夫だと思うが、関係者と引き続き協議したい」としている。

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