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山形の活断層・第4部(1) 新庄盆地断層帯

2012年09月11日 13:17
 新庄盆地断層帯は「二つの顔」を持っている。一つは、奥羽山脈側を南北に走る東部(新庄東山、舟形、沖の原、長者原の4断層)。もう一つは出羽丘陵側に位置する西部(上絵馬河西、鮭川、津谷付近の3断層)だ。

 活断層図を平面的に見ると、盆地全体に同じような断層が複数並走しているだけと思えるかもしれない。しかし、断面で考えると、東部は東側が隆起する逆断層、一方の西部は西側が隆起する逆断層。断層面(地層内のずれ)の傾斜も正反対で、タイプが異なる。

■明確に区分
 政府の地震調査研究推進本部が2002年にまとめた長期評価では、新庄盆地断層帯は東側に複数の断層が並走する断層帯として紹介していた。しかし、昨年5月に公表した最新の長期評価では、西側に位置する複数の断層を新たに盛り込み、明確に東西に区分。地震の規模は東部がマグニチュード(M)7.1、西部はM6.9程度とした他、今後30年以内の地震発生確率も、東部は5%以下、西部は0.6%と推定した。

 「長期評価は、断層の長さが20キロ以上のものを対象にするという基準がある。新庄盆地西部は約17キロだが、対象基準に近い上、産業技術総合研究所が詳細な調査を行い、新たな知見が得られたため一部改訂した」。推進本部の事務局を担う文科省地震・防災研究課企画官の矢来博司は説明する。

 東西2つの断層が同時に動く可能性はないのだろうか。例えば、山形盆地断層帯の長期評価では北部と南部に区分けし、地震の規模をそれぞれM7.3程度としているが、連動した場合、M7.8程度と想定、より大きな地震に見舞われるとしている。

 しかし、山形盆地断層帯の場合、ともに盆地西縁に位置し、西側が隆起する同じタイプ。新庄盆地断層帯は東隆起と西隆起という「違う顔」を持っており、「東西の断層群はそれぞれ別個の断層で、連動する可能性は低い」。山形大教授の八木浩司はそう語る。

■注意もっと
 それでは、新庄盆地は比較的安心なのか、というと状況は全く異なる。矢来は「いままでマークされていなかった断層が西側にも確認されたということは、気を付けなければいけない断層が増えたということ。より注意が必要になったとみるべきだ」と話す。八木も「別個の断層が盆地両側にあるということは、つまり、地震の発生確率がより高まるということ。個別に見ると低く感じるかもしれないが、新庄盆地で直下型地震が起こる可能性は決して低くはない」と口をそろえる。

 新庄盆地断層帯を南北に走る複数の活断層。地震調査研究推進本部が作成した活断層位置図をじっくり眺めると、東西両にらみ、「二つの顔」から注視される新庄盆地という構図が浮かび上がってくる。

 東日本大震災から11日で1年半。被災地ではいまもなお苦難の日々を余儀なくされている人たちが数多くいる。防災意識の向上と減災を願う連載企画「山形の活断層」第4部では新庄盆地断層帯を紹介する。=敬称略
(仙台支社・松田直樹)

新庄盆地断層帯 新庄盆地全体に複数の活断層が並走する。東部は新庄市から舟形町に至る約22キロ、西部は鮭川村から大蔵村に至る約17キロの逆断層で、東部の平均活動間隔は4000年程度、西部は4700年程度と推定されている。今後30年以内の発生確率は東部が5%以下で、全国の主要活断層帯の中では高いグループに属する。

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