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大工歴60年の伝統技術の「門」 長井・菊地さん建立

2016年01月15日 16:56
横幅約14メートル、高さ約6メートルの堂々とした門。うわさを聞き付けた市内外の人が見学に来ているという=長井市幸町
横幅約14メートル、高さ約6メートルの堂々とした門。うわさを聞き付けた市内外の人が見学に来ているという=長井市幸町
 長井市幸町の大工、菊地栄さん(80)が、自宅前に重厚な木造の門を造った。ケヤキと杉を用いて、くぎやボルトは使わず木材同士を組み合わせる日本の伝統的工法を駆使した。「建物を通して素晴らしい伝統技術を伝えたかった」と話している。

 菊地工務店の棟梁(とうりょう)を務め、大工歴約60年という大ベテラン。培った技術を後世に残し景観づくりにも寄与したいと、前々から建立を計画していた。

 門を造った場所には貸家があった。おととし8月に解体し、具体的な図案作りを始めた。日本庭園や木造建築物といった「古き良き日本の景観」と調和させることを念頭に、妻シゲノさん(77)のアイデアも取り入れた。着工は去年4月で従業員2人が作業に当たり、菊地さんは現場監督として采配を振った。木の組み立てや屋根造りをこつこつと慎重に進め、10月末にようやく完成した。

 高さ約6メートル、横幅約14メートル、奥行き約3.2メートルを誇り、門構えと呼ぶにふさわしいたたずまい。ケヤキと杉は150石(約42立方メートル)ほど使った。くぎやボルトではなく、木栓を使って丁寧に仕上げた。柱は最大57センチ角を用いていて頑丈。瓦屋根には屋根面が緩やかに反った形になる切り妻造りの技術を施し、中央部分に7畳の部屋まで設けた。

 長井工業高近くの大通りに建っており、「立派な門だ」「木の重厚感が素晴らしい」などの声が聞かれる。うわさを聞き付け関東方面から見に来た人もいたという。

 中央の部屋は立ち寄った人が休める「憩いの場所」にする予定。菊地さんは「何百年後かにこの門を見た人が、伝統の技術と建設当時の様子に思いをはせてくれたらうれしい」と話している。

菊地栄さん(右)と妻のシゲノさん(左)の思いが詰まっている
菊地栄さん(右)と妻のシゲノさん(左)の思いが詰まっている

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