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被災者の心に寄り添う「お地蔵さん」 東日本大震災5年、建立活動続く

2016年03月10日 21:01
「お地蔵さんプロジェクト」が地元住民と協力して建立した地蔵尊が長瀞小跡地で被災者の心に静かに寄り添っている。東日本大震災発生から5年となるのを前に、周囲を清掃する人の姿があった=10日正午、宮城県亘理町
「お地蔵さんプロジェクト」が地元住民と協力して建立した地蔵尊が長瀞小跡地で被災者の心に静かに寄り添っている。東日本大震災発生から5年となるのを前に、周囲を清掃する人の姿があった=10日正午、宮城県亘理町
 東日本大震災の発生から5年。宮城県をはじめとする被災地では10日、優しい微笑をたたえた地蔵尊の前で、そっと手を合わせる人々の姿が見られた。被災した人たちの心に静かに寄り添う地蔵尊は、本県の有志が中心となって建立。活動に携わる関係者は「震災の記憶を抱える人がいる限り、建て続けていく必要がある」と力を込める。

 宮城、岩手、福島の被災3県で地蔵尊を建立しているのは、山形市の認定NPO法人「被災地に届けたい『お地蔵さん』プロジェクト」(理事長・葦原正憲長源寺住職)。被災者の心のよりどころや、命を奪われた人たちへの祈りをささげる場所を提供しようと、津波被害を受けた37市町村の50カ所を対象にしている。2013年3月の宮城県石巻市を皮切りに同県名取市、東松島市、亘理町、岩手県大槌町、福島県南相馬市、飯舘村の計7カ所に建立。今後も、宮城県岩沼市などでの設置を計画している。

 亘理町では、津波で1階部分が水没した長瀞小跡地に建立。場所の選定に携わった地元の吉田東部地区まちづくり協議会の氏家敏彦事務局長は「亘理特産のイチゴを右の小さなお地蔵さんが持っているんです」とほほ笑む。14年4月の建立式では町内の犠牲者数と同じ、306個のハトをかたどった風船を飛ばし、慰霊した。氏家事務局長は「いつの間にか赤いずきんと前掛けが掛けられていて、みんな驚いた。本当の優しさというものを感じた」と穏やかな表情を見せた。

 「除幕式のときにお地蔵さんに抱きつく人がいた。お地蔵さんを目にし、閉じ込めていた気持ちが出てくる人もいるのだと感じた」と同プロジェクトの米本泰事務局長。「それぞれの個人的なよりどころとして、お地蔵さんが役に立ってくれるといい」と強く願う。

 同プロジェクトのメンバーは11日に宮城県石巻市を訪れ、地蔵尊を囲んで開かれる住民グループ主催の追悼行事に参加する。米本事務局長は「心の支えがほしいという人の気持ちは変わらないだろうし、5年で癒やしということもないと思う。人の形をしたお地蔵さんだからこそ、誰かの代わりになりうる。長期的な計画にはなるが、目標は変えずにやっていきたい」と決意を新たにしている。

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