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【駅伝】窮状、それでも南陽・東置賜

2016年04月29日 07:34
 山形新聞創刊140周年を記念した第61回県縦断駅伝競走大会(山形新聞、山形放送、山形陸上競技協会など主催)第2日は28日、新庄―長井間111.7キロ、10区間でレースを行った。南陽・東置賜が20区(朝日―白鷹)でトップに立つと、逃げ切ってゴールし、2日連続の優勝を果たした。タイムの6時間0分10は大会新記録。

 2位には最終区で5秒差まで迫った山形、3位には堅実な走りで上位をキープした北村山がそれぞれ入った。4位以下は寒河江・西村山、酒田・飽海、天童・東村山、長井・西置賜、鶴岡・田川、新庄・最上、上山、米沢の順になった。

 白鷹中継所では、先頭通過から20分が経過したため、上山と米沢が繰り上げスタートになった。この日は、時折雨が強く降るコンディション。最高気温は14.8度(寒河江中継所)だった。

 また大会本部は、チーム関係者の一般車両が選手の間に入って走行したとして、新庄・最上に違反点数1点を課した。

 【評】スタート地点・新庄市の午前8時の気温は11.5度。天候は雨だったが、最高気温は15度未満と暑くなく、風もほぼない、まずまずのコンディション。前日優勝の南陽・東置賜は出だしの区間1位とした後に順位を下げたが、最終盤に先頭に戻る強さを示した。2位の山形は実力者をそろえ、10区間のうち区間1位を六つ獲得。3位の北村山は、周囲の順位変動が激しい中で、大崩れしない安定感を見せた。

南陽・東置賜の堀宏和(南陽市役所)が終盤で先頭に立ち、リードを広げる=白鷹町
南陽・東置賜の堀宏和(南陽市役所)が終盤で先頭に立ち、リードを広げる=白鷹町
苦肉のオーダー、5秒差で勝利
【いだてん】
苦しんだ末の勝利だ。2位に5分以上の大差をつけた初日と打って変わり、この日の差はわずか5秒。万全のオーダーが組めない中で、先頭でゴールテープを切ったのは南陽・東置賜だった。終盤の勝負強さは改めて、王者のたくましさを示すことになった。

 「区間配置の段階である程度の苦戦は予想していた」。鈴木輝生監督は冷静に振り返る。選手の発熱による前日のオーダー変更の影響で、長距離区間を担える選手の人数が十分ではなく、故障明けの大河原謙人(高畠町役場)と大谷克(南陽市役所)を2日連続で重要区間に投入せざるを得なかった。

 序盤から目まぐるしく先頭が入れ替わる混戦で、指揮官が勝負の分かれ目だったと指摘したのはこの日後半の18区(寒河江―大江)。4位でたすきを受けた仁部幸太(南陽市役所)が、先行する寒河江・西村山を視界に捉えると、猛然とスパート。3位に順位を上げて追い上げムードをつくり、19区(大江―朝日)で中山裕貴(エヌ・デーソフトウェア)の区間賞の快走につなげた。

 続く20区(朝日―白鷹)を任された堀宏和(南陽市役所)は、2位でたすきを受けた状況に「正直、燃えた」。給水をきっかけに北村山を一気に引き離しレース終盤での逆転に成功。経験豊富なベテランが表情をゆがめながら足を前に出し続け、チームを先頭に導いた。勝利への思いは貪欲だった。

 「これまではスマートな走りだったが、選手は(力を)絞り出す走りに変わった。成長を感じる」と手応えを口にする鈴木監督。苦戦を制したことで、結束力も強固になった。総合5連覇に向け、王者が弾みをつけた。

一人一人が役割果たしてくれた
 南陽・東置賜 鈴木輝生監督
 苦戦することを想定していたが、一人一人が自分の持ち場でしっかりと役割を果たしてくれた。第3日は次世代を担う中高生区間でしっかりとしたつなぎをし、先頭でゴールテープを切りたい。

山形の20区築達有麻(左、流通経大)からたすきを受け取り、1位の南陽・東置賜を追う21区須藤朗(JAやまがた)=白鷹中継所
山形の20区築達有麻(左、流通経大)からたすきを受け取り、1位の南陽・東置賜を追う21区須藤朗(JAやまがた)=白鷹中継所
山形2位、あとわずか
【ハイライト】
わずかに5秒届かなかった。王者南陽・東置賜を、この日最終21区(白鷹―長井)で懸命に追った山形。第2日アンカーの須藤朗(JAやまがた)は「優勝しかない、と思ったが…」と悔しさで唇をかんだ。

 南陽・東置賜といえども完全無欠の布陣ではない。隙はあるはず―と考え、阿部和幸監督は第2日に「奪冠」を懸けた。序盤に勢い付けたのは13区(舟形―尾花沢)の森谷修平(山形市役所)だ。県内トップ級の力を持つ24歳エースは直前まで故障続きで練習を再開できたのは今月20日。「チームには迷惑を掛けた。でもスタートしたら結果が全て」。5位からぐんぐん順位を上げ、持ち味のラストスパートは必死の形相。先頭の酒田・飽海との競り合いを制してトップに押し上げた。

 その後も山形は先頭をうかがう位置に付け、須藤はトップの南陽・東置賜に13秒差の2位でたすきを受けた。前日は8区(狩川―古口)で区間10位とふがいない結果だった中堅選手は気持ちを前面に出し区間新記録、区間1位の力走。だが最終盤に脚が重くなり、差を詰め切れなかった。

 それでも順位が目まぐるしく変動したこの日、山形は確かに主役のチームの一つだった。「(チームの)自信になる」と阿部監督。南陽・東置賜の牙城を崩すため山形がのろしを上げた。

北村山の井上寿弥(左、神町自衛隊)が単独トップに立ち、土田公平(同)にたすきをつなぐ=朝日中継所
北村山の井上寿弥(左、神町自衛隊)が単独トップに立ち、土田公平(同)にたすきをつなぐ=朝日中継所
強豪の意地、北村山3位
 初日に続き3位となった北村山。若手からベテランまで粘り強くたすきをつなぎ、19区(大江―朝日)の井上寿弥(神町自衛隊)が一時トップに躍り出るなど、第2日の優勝争いに絡んだ。地元の声援を受けて奮起した選手たち。だが森里史監督は「全員が力を出し切っただけに勝ちたかった」と無念顔。最終日に向け雪辱を誓い合った。

 序盤の14区(尾花沢―村山)で高橋雅人(エツキ)は前日に続き区間2位の力走を見せた。「途中で腹痛が起きたが、大きな声援が力をくれた」。中盤以降は17区(天童―寒河江)で佐藤研人(山形銀行)が区間賞を取るなど、徐々に順位を上げる。ここで奮起したのが今年からチームに加わった井上だった。

 井上の前後は同じ神町自衛隊の長嶋祐二郎と土田公平。以前は自衛隊駅伝のライバルチームだったこともある3人だ。「競い合った2人とのたすきリレー。興奮してアドレナリンが出た」と井上。前半からの良い流れも生かし、強豪・北村山の一員としての意地を見せた。チームは先頭を維持できなかったが、森監督は選手をねぎらい、こう言った。「結果は結果。この悔しさを明日につなげよう」

寒河江・西村山の荒木瞭一(東農大)が区間タイ記録の力走で先頭に立つ=村山市
寒河江・西村山の荒木瞭一(東農大)が区間タイ記録の力走で先頭に立つ=村山市
寒河江・西村山―4位死守
 ○…寒河江・西村山は序盤から粘り強く走り、4位を死守した。勢いに乗せたのは成長株の荒木瞭一(東農大)。14区(尾花沢―村山)で各チームのエース級を抜き去り、区間タイ記録の好走。「4人も抜くことができて気持ちが良かった」と、控えめな笑顔を見せた。

 大会直前の記録会で不調だったが、初日の3区(黒森―湯野浜)で区間賞を獲得、不安はなくなった。5位でたすきを受け取り、「前半は我慢のペース。前が見えた後半にリズムよく行けた」。弾むような走りで強敵をどんどん追い抜き、1位で仲間に託す。後続も踏ん張り、上位で3日目につないだ。

 2日連続で南陽・東置賜の実力者、大谷克(南陽市役所)のタイムを上回る。2日目を終えての総合4位に大きく貢献した。吉見政俊監督は「期待通りの走りだった」とたたえた。

酒田・飽海の12区安倍智輝(右、武蔵野学院大)が、13区遠田洸(平成国際大)に3位でたすきをつなぐ=舟形中継所
酒田・飽海の12区安倍智輝(右、武蔵野学院大)が、13区遠田洸(平成国際大)に3位でたすきをつなぐ=舟形中継所
酒田・飽海5位、波乗れず
 ○…序盤は上位にいながらも中盤以降踏ん張りきれず、酒田・飽海は5位でゴール。阿部亮監督は「波に乗れなかった」と淡々と語った。

 その中で13区(舟形―尾花沢)の遠田洸(平成国際大)が一時先頭に立つ活躍を見せた。「初日が良くなかった分、頑張りを見せたかった」。後方から追い上げてきた山形の森谷修平(山形市役所)に食らいつき、並走しながらリズムをつくる。抜かれながらも一瞬の差の2位でリレーした遠田は「最後は詰めが甘かった」。それでも自身の走りには納得の表情だ。

 チームはこの日、いい流れを保つことはできなかった。だが遠田は最終日へ「総合2位を目指したい」と意気込む。阿部監督も「余力は残してある。優勝争いに絡む戦いをしたい」と前を向いた。

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