県内ニュース

「山形いのちの電話」相談員不足が深刻 新規わずか2人、募集期間延長

2016年09月06日 15:03
 自殺に関する悩みを持つ人の相談に乗る「山形いのちの電話」(古沢茂堂理事長)が、本年度募集した新規相談員の申し込みが5日現在2人で、目標とする20人を大きく下回る危機的状況になっている。定年後の再雇用が活発になっていることなどを理由に近年、応募は低調だが、「2人は前例にない」と佐藤藤彰事務局長。募集を1カ月延長して30日までとしたが、「相談員不足が続けば存続が危ぶまれる」と危機感を募らせている。

 新規の相談員申し込みは近年、10人前後で推移していた。今年は事前に11人から問い合わせがあったものの、正式な応募は2人だけ。事務局によると、背景には▽ボランティア活動の選択肢が増えた▽研修費(約2万円)が自己負担▽定年後の再雇用が定着▽専業主婦が減少―などが考えられるという。

 新規相談員は相談業務を行う前にグループ研修を受けることが必須だが、講師の臨床心理士や大学教授によると、「最低5人が必要」と強調。現状では研修が行えず、新たに加入した人の業務開始のめどが立たない状況だ。

 相談は1日3交代で、3時間受け持つ。シフトは1人当たり月2回が適正とされ、本県の場合は90人が必要とされているが、現在活動する相談員は74人。世代交代も進まず、過剰な負担を強いられている。

 高齢化も相談員不足に拍車を掛ける。電話開設から20年が経過し、現在の中心メンバーは60~70代。親の介護や老化による体調の変化でやむを得ず、長期休暇に入る人も少なくない。中には耳が遠くなり「不誠実な対応になってしまうかもしれない」と引退を決めた人もいるという。

 長年相談員を務める女性(66)は「『命』というと責任が重いと感じる人もいるかもしれない」とした上で「きめ細かい研修や周りのサポートで誰でも相談員になれる」と応募を促す。

 今月10~16日は自殺予防週間として、各地で啓発活動が行われる。いのちの電話の佐藤事務局長は「ここは『生きたい』と願う人の叫びを受け止める場所。相談員への応募を考えるきっかけになれば」と期待する。

 応募の受付窓口は023(645)4377。

相談件数は増加傾向
 相談員が逼迫(ひっぱく)する一方で、相談件数は増加傾向だ。「山形いのちの電話」によると、2015年の統計で、着信約7万6000件のうち相談員が受け付けたのは6124件。14年比411件増で、16年も同ペースで推移している。相談員が減れば、留守電対応になり「生の声でのやりとりこそ求められている」(相談員5年目の女性)とのニーズに応えるのが難しくなるという。

 県によると、昨年の県内の自殺者数は243人で減少傾向だが、人口10万人当たりの自殺者の割合を示す自殺率は21.7で前年の全国ワースト9から、さらにワースト6に悪化している。

関連記事

by weblio



文字サイズ変更
  • 小
  • 中
  • 大

県内7市発行メールマガジン登録無料

ふるさとだより

週1回、ふるさとの話題をお届け

ニュース特集

スポーツ

教育・子育て

おでかけ

暮らし情報

twitter発信中

山形新聞からお知らせ

  1. 【2017年8大事業】
     山形新聞、山形放送の2017年の8大事業が決まりました。詳しくは、こちらから
  2. 【やましん公式FB】
     山形新聞社は、インターネット交流サイト「フェイスブック(FB)」の公式ページを新設しました。
     公式ページでは山形新聞のニュースのほか、本社からのお知らせなどを中心に紹介します。
     アドレスは、こちらから
  3. 【やましんe聞で動画視聴】
     読者限定の電子版「やましんe聞」で動画を閲覧できる新サービスを始めました。詳しくは、こちらから。
  4. ◆中学、高校の各種スポーツ大会の記録を紹介。検索機能も備えています。アクセス方法はこちら
  5. ◆探したい記事がきっと見つかる、山形新聞記事データベース。他社DB横断検索が便利な日経テレコンジー・サーチファクティバ
  6. ◆県外でも今日の朝刊が朝一で読める「お届け電子版
  7. ◆ニュース速報、高校野球、モンテ情報、おくやみ… 身近な情報を携帯で確認「モバイルやましん
  8. ◆故郷の話題をメールでお届け、ふるさとメール会員募集(登録無料)
山形新聞から
販売から