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【女子駅伝】V2酒田・飽海、エース爆走

2016年11月21日 09:27
 県内11チームが上山市本庄地区公民館前をスタートし、山形市の山形メディアタワー前をゴールとする5区間20.5キロで競うヤマザワカップ第33回県女子駅伝競走大会(山形新聞、山形放送、山形陸上競技協会主催)は20日に行われ、酒田・飽海が総合タイム1時間7分43秒で2連覇を果たした。

 酒田・飽海は1区で6位と出遅れたものの、2区の今野まどか(酒田市陸協)が区間2位の走りで1位でリレーした。最終5区の終盤に追い上げられたが、逃げ切った。

 鶴岡・田川は5区で須貝美齢(鶴岡南高)が快走を見せ、4位から2位に順位を上げた。スタートから上位を守り続けた北村山が3位、昨年9位だった寒河江・西村山が4位に入った。5位は山形、6位は天童・東村山だった。

【評】酒田・飽海が2区でトップに浮上して流れをつくり、逃げ切った。エース今野は5人を抜く走りで実力の高さを示した。2位の鶴岡・田川は高校生アンカー須貝が猛追でトップに肉薄しレース終盤を盛り上げた。1区で区間新記録をマークした寒河江・西村山の五十嵐梨の走りも光った。

【ハイライト】5人抜きトップ、中学生も続いた
酒田・飽海の2区今野まどか(酒田市陸協、左)がトップに押し上げ3区和賀楓(酒田四中)にたすきをつなぐ=第2中継所
酒田・飽海の2区今野まどか(酒田市陸協、左)がトップに押し上げ3区和賀楓(酒田四中)にたすきをつなぐ=第2中継所
 エースが圧巻の5人抜きでトップに立ち、新鋭の中学生が鮮やかにリードを広げた。2連覇を成し遂げた酒田・飽海は、住石智也監督が勝負のポイントと見定めた2、3区で今野まどか(酒田市陸協)と和賀楓(酒田四中)が期待に応えた。最終5区で後続に3秒差に迫られながら逃げ切る勝利への“貯金”となった。

 2区の今野は先頭と43秒差の6位でたすきを受けると、「追い掛けるしかない」と力強く地面を蹴った。アップダウンの大きなコースも、普段から高低差のあるクロスカントリーコースで練習していて苦にならない。次々に順位を上げてトップに迫った。残り約300メートルで先頭の寒河江・西村山と北村山を右側から抜くと、「主役は私だ」とばかりにコース中央に移動。2区は昨年も1位争いのデッドヒートを制した今野の“舞台”だ。28歳はレース後に「爆走しました」と笑顔で話した。

 リレーを受けた和賀は「1位とは…心の準備ができていなかった」と正直に告白。それでも成長著しい中学2年生は2位との差を広げることに集中した。区間前半の下りは羽が生えたような軽やかな走りで一気に飛び出す。「後半の上りできつくなった」と振り返るが、堂々の区間1位タイムで後続に33秒差を付けた。

 前回大会は5選手中4人が区間1位。対して今回は区間1位が和賀だけと他チームとの実力差は大きくなかった。だが今野、和賀をはじめとして力ある選手が多い酒田・飽海。人生で初めて1位のゴールテープを切ったというアンカー大場愛里紗(酒田南高)は「来年はもっと力を付けて挑みたい」と話す。選手たちは互いに刺激を与え合い、早くも3連覇へ意欲を高めた。

信じていた。よく粘ってくれた
 住石智也酒田・飽海監督の話 2、3区でトップに立ち、逃げ切るプランだった。それでも2区の今野まどか(酒田市陸協)の走りは予想以上。5区の大場愛里紗(酒田南高)には(ゴール直前の)文翔館前を先頭で曲がれば勝てると伝えていた。信じて待っていた。よく粘ってくれた。

【スポット】アンカーが快走「久しぶりの上位」
先頭に3秒差に迫る追い上げで鶴岡・田川の準優勝に貢献したアンカー須貝美齢(鶴岡南高)=山形市
先頭に3秒差に迫る追い上げで鶴岡・田川の準優勝に貢献したアンカー須貝美齢(鶴岡南高)=山形市
 鶴岡・田川はアンカーの須貝美齢(鶴岡南高)が4位から猛然と追い上げ、1位に3秒差まで迫る2位。「1番でゴールテープを切りたかった」。レース直後は膝に手をつき悔しそうにしたが、「チームにとって久しぶりの上位。歴史的な成績」と誇らしげな表情ものぞかせた。

 「アンカーの美齢まで、1秒でも縮めていこう」。レース前日の佐藤由美監督の言葉に奮起し、各選手が粘り強さを見せた。高校、大学の実力者が名を連ねた1区は、「積極的に仕掛けた」という五十嵐徳子(鶴岡北高)が4位。2~4区はいずれも初出場組が、上位をうかがう位置でリレーした。

 たすきを受け取った須貝は体を大きく使い、力強く足を前に運んだ。前を行く2人を追い抜く時にはその姿には目もくれず「1位が見えてきた」。十日町、七日町と中心街を駆け抜けてどんどん差を詰め、背中が大きく見えてきた。しかし、わずかに及ばなかった。それでも先頭との差を1分超も縮め、仲間の胸を打つ上位争いを繰り広げた。

 鶴岡・田川にとっては、第11回大会の初優勝に次ぐ好成績。昨年の1区では区間10位だった須貝の快走をはじめ、チームとしてレベルアップを結果で示した。佐藤監督は「メンバーは替わるが、きっとこの経験は生きる」。新たな目標への手応えを口にした。

北村山攻めて3位―厳しいレース、力出し切った
北村山の4区細矢愛結(葉山中、左)が力走し、アンカー金村真帆(山形北高)にたすきをつなぐ=第4中継所
北村山の4区細矢愛結(葉山中、左)が力走し、アンカー金村真帆(山形北高)にたすきをつなぐ=第4中継所
 昨年と同じ3位という結果に北村山の高橋卓美監督が見せたのは安堵(あんど)の表情だった。「もっと上を狙ってはいたが、実力が伯仲する中で中位に落ちる危険性は常にあった」。予想以上に厳しかったレースを振り返り、大きく息を吐いた。

 チームで心掛けたのは積極性。1区の梅津千布(東洋大)は「調子は万全でなかったが、しっかりつなぐために気持ちを強く持った」と先頭に食らい付き、山形、酒田・飽海より上位を狙った監督の思惑通りの仕事をこなした。さらに、レースの鍵となったのは4区の細矢愛結(葉山中)。チーム唯一の区間トップで、区間記録まであと5秒と迫る快走。「最後はもう少し上げたかったが、力は出し切れた」と晴れやかに語った。

 就任3年目の高橋監督。ここまでの結果は2位、3位、3位と好位置を保っている。「あとは優勝しかない」。そう言って、信頼する選手の肩をたたいた。

寒河江・西村山、会心の4位―1区で区間新、勢い生かす
1区で区間新記録の快走を見せ上位入りへの流れをつくった寒河江・西村山の五十嵐梨菜(山形城北高)=上山市
1区で区間新記録の快走を見せ上位入りへの流れをつくった寒河江・西村山の五十嵐梨菜(山形城北高)=上山市
 エースの五十嵐梨菜(山形城北高)が1区で信頼に応える区間新記録を出した寒河江・西村山。「チームとして完璧な立ちあがり」と細谷弘信監督がたたえ、昨年の9位から4位に順位を上げる原動力となった。

 実力者がそろった1区。調子が良かったという五十嵐梨は「足も動き、気持ちに余裕があった。力を出し切ることでチームに貢献したかった」と、終盤に後続を引き離す会心の走りに充実感を漂わせた。勢いを引き継いで2位でつないだ中学生の高橋華瑠亜(陵南中)と大沼亜衣(陵西中)の安定感も光っていた。

 目標だった3位まであと一歩。細谷監督は若い選手の奮闘と成長に目を細めながら、「来年が楽しみ」と、確かな手応えをつかんだ様子だった。

出遅れ響き山形5位
 ○…「女王の座奪還」を目標に掲げた山形は、1区でトップと1分38秒差。続く2区で区間1位の走りで意地を見せた田中幸(スポーツ山形21)は「まずは結果を受け止め、来年は優勝を目指したい」と前を向いた。

 7位でたすきを受けて順位を一つ上げた田中は「もっと距離が長ければ…。1位まで行けた」と4.5キロの戦いにもどかしさも。それでも後をつないだ仲間は田中に背中を押されるように力走。アンカー松浦萌(山形城北高)は区間3位の走りで総合5位としフィニッシュした。エース、そして年長者としてチームを引っ張る田中は、後輩たちとのレースを振り返り「また一緒に頑張っていきたい」と気持ちを切り替えた。

天童・東村山、無念6位
 ○…昨年準Vの天童・東村山は6位でゴール。二瓶久良監督は「主導権を握ることができなかった」と語った。

 1区の工藤レイラ(東北福祉大)は、トップに区間新記録が出たハイペースの戦いで食らい付いたが、最後は7秒離されて区間2位。現在大学3年で、看護師を目指すため県女子駅伝は今回が最後と決めている。自身の結果に「残念じゃないと言えばうそになる」と悔しさをにじませた。

 工藤はさらに「後輩たちにはメダルを取ってほしい」と上位入りを託す言葉。チームは改めて浮上を目指すことになる。二瓶監督は「今いる選手をいかに伸ばせるかが大事だ」と来年を見据えた。

【区間新】積極的に仕掛けた
 ▽1区 五十嵐梨菜(寒河江・西村山、山形城北高) 自信を持って入れた。自分から積極的に仕掛けたことがタイムにつながった。

◇長期出場者表彰
 ▽監督 鈴木泰子(山形)=15回▽マネジャー 青木美由貴(天童・東村山)=30回▽選手 高橋春香(南陽・東置賜)遠藤柚奈(山形)工藤レイラ(天童・東村山)五十嵐梨菜(寒河江・西村山)梅津千布(北村山)平山絵梨(酒田・飽海)=5回

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