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誇って、義光の「さむらい道」 山形の高橋義夫さん、本紙連載小説出版

2017年03月19日 11:42
最上義光を描いた小説への思いを語る高橋義夫さん=山形市・山形メディアタワー
最上義光を描いた小説への思いを語る高橋義夫さん=山形市・山形メディアタワー
 山形市の作家高橋義夫さんが最上家第11代当主・最上義光を主人公に本紙に連載した小説が「さむらい道(みち)」(上下巻)のタイトルで18日、出版された。「山形の人たちが『自分たちの大将はなかなかの人物だった』と自信を持ってもらうきっかけになれば」。高橋さんは作品に込めた思いをそう語る。

 高橋さんは2015年7月11日から16年12月31日まで526回にわたり、小説「最上義光」を連載。物語は16歳の義光と近習(きんじゅう)が蔵王の温泉で野武士の襲撃を受ける場面から始まり、父・義守との確執、高擶への追放、山形城への帰還と進む。山形城主になってからは天童や寒河江、庄内勢、おいの伊達政宗らとの衝突、最上川の開削、娘・駒姫の悲劇を描き、慶長出羽合戦でクライマックスを迎える。県内の実在する土地やゆかりの名字も頻繁に登場する。

 これまで義光は大河ドラマや軍記物の影響からか、謀略家、冷酷無比という負のイメージで語られることが多かった。「義光だけでなく、強くて勇猛果敢という武将のイメージは作られたもの。人間らしい義光にしたかった」と高橋さん。作中の義光はなかなか戦に踏み切らない。迷って、迷って行かない。だがしぶとくて、一貫している―。「今の山形にいそうなキャラクターでしょう」と笑う。

 義光に取らせた言動のキーワードは、単行本のタイトルにもなっている「さむらい道」だ。この言葉は実際の義光の手紙に「この仕置きはさむらい道に照らして…」「…は、さむらい道に背いている」というように登場するという。さむらい道の具体的の思考体系は分からないものの「『羽州探題』である最上氏の生き方を表現しているのだと思った」。羽州探題は室町幕府から最上氏の祖・斯波兼頼が与えられた役職。「出羽の国を治める“地方長官”のような仕事。だから領民をひどく殺すことになる戦をなるべく避けたのではないだろうか」と考えた。それは城主と家臣を逃がして城を無力化したことや、降伏した敵を家来にしたことなどにも表れているという。

 高橋さんは「戦国時代にのし上がってきた他の武将の目に、義光は『腰抜け侍』と映ったかもしれない。しかし伊達も米沢から移された戦国時代に、代々の領地を守り、広げた義光は『勝ち組』と言っていいだろう」と話した。

 「さむらい道」は中央公論新社刊、上巻384ページ、下巻400ページ。各2052円。注文と問い合わせは山形新聞社販売局「本の宅配便」係フリーダイヤル(0120)818040、県内の各書店へ。

 ▽たかはし・よしおさんは1945年千葉県船橋市生まれ。早稲田大卒業後、雑誌編集者を経て執筆活動に入り、86年から本県在住。92年「狼奉行」で第106回直木賞を受賞。近著は義光の妹で伊達政宗の母義姫を描いた「保春院義姫」、沖縄県令を務めた最後の米沢藩主・上杉茂憲の奮闘ぶりを記した「沖縄の殿様」など。

関連写真

  • 「さむらい道(みち)」の上巻
  • 「さむらい道(みち)」の下巻

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