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【駅伝】笑顔リレー、南陽・東置賜

2017年04月29日 07:29
 第62回県縦断駅伝競走大会(山形新聞、山形放送、山形陸上競技協会など主催)は第2日の28日、新庄―長井間の10区間、111.7キロでレースが行われ、南陽・東置賜が6時間5分56秒で頂点に立ち2日連続優勝を果たした。

 2位には1分20秒差で酒田・飽海が入り、3位には天童・東村山が食い込んだ。4位は山形、5位は寒河江・西村山、6位は北村山だった。以降は長井・西置賜、鶴岡・田川、新庄・最上、米沢、上山が続いた。

 第1日と合わせた総合成績では1位が南陽・東置賜、2位が酒田・飽海で、その差は1分28秒。3位は山形、4位は天童・東村山、5位は寒河江・西村山、6位は長井・西置賜となっている。

 この日は米沢と上山が、朝日中継所と白鷹中継所で繰り上げスタートとなった。

 【評】南陽・東置賜が、要所に配置したエース級の働きが光って2日連続優勝。13区(舟形―尾花沢)で先頭を奪うと、17区(天童―寒河江)、19区(大江―朝日)を区間1位のタイムでつなぎ、逆転を許さなかった。酒田・飽海は次第に順位を上げるレース運びで南陽・東置賜に迫り2位でゴール。天童・東村山は粘りの走りで3位とした。ともに地元入りした寒河江・西村山と北村山が順位を上げて意地を見せた。

選手は大会を楽しんでいる
 南陽・東置賜 小野正晃監督
 追い付かれる展開も想定していたが、それぞれが自分の走りをしてくれた。6連覇は懸かっているが、選手は大会に出られることを喜び、楽しんでいる。最終日も持てる力を出し切りたい。

南陽・東置賜の13区伊藤翼(左、高畠町役場)が14区近並郷(NDソフト)にトップでたすきをつなぐ=尾花沢中継所
南陽・東置賜の13区伊藤翼(左、高畠町役場)が14区近並郷(NDソフト)にトップでたすきをつなぐ=尾花沢中継所
1分20秒差V、ライバルの猛追「むしろ喜び」
 王者は力を奮い起こし、連日の頂点に立った。まさに獅子奮迅。盤石に近い布陣で臨んだ南陽・東置賜は序盤の13区(舟形―尾花沢)で伊藤翼(高畠町役場)が先頭に躍り出ると、チームはそのままトップで継走し長井市役所前のゴールテープを切った。たすきをつなぐ瞬間、選手は一様に笑顔。初日Vで勢いを得て、さらに「勝負」を楽しむように111.7キロを駆け、総合6連覇に王手をかけた。

 北村山のリードで幕が開けた第2日。チームに焦りはなかった。「僕でトップに立つつもりだった」。混戦の中、2位でたすきを受けた伊藤は徐々にペースを上げ、7キロ地点で前に出ると、終盤の上りでさらに引き離した。

 「本調子ではなかったが、出せる限りの力で走った」という伊藤。尾花沢中継所では近並郷(NDソフト)に白い歯を見せてたすきをつなぐ。自分の走りに納得し、信頼する仲間に託す思いが、その表情に表れた。

 苦戦が予想された高校生区間15区(村山―東根)の佐藤凱有(東海大山形高)、16区(東根―天童)の仁部幸太(南陽市役所)もタイムこそ詰められたが粘り強く腕を振り、先頭を譲らない。続く17区(天童―寒河江)の遠藤正人(南陽市役所)は故障を押しての出走だったが、強気の走りで区間賞。手負いのエースが本番で意地を見せた。

 「それぞれが力通りの活躍をしてくれたし、つらい場面を耐えてくれた」と選手をたたえる小野正晃監督。初日は酒田・飽海に8秒差まで迫られた。この日の勝利も1分20秒差で、安全圏とは言えない。それでも、遠藤は「余裕を持って走ることが多いチームだったが、駅伝らしい競り合いができてみんなワクワクしている」と笑顔。ライバルの猛追を受け、むしろ活気づいている南陽・東置賜。個人の地力だけではない勢いが今のチームにはある。最終日も全力で栄冠をつかみにいく。

酒田・飽海の20区鈴木挙(左、日本海総合病院)が21区谷地宏康(東海大)にたすきをつなぐ=白鷹中継所
酒田・飽海の20区鈴木挙(左、日本海総合病院)が21区谷地宏康(東海大)にたすきをつなぐ=白鷹中継所
じわじわ酒田・飽海、2位
 酒田・飽海はじわじわと順位を上げ、20区(朝日―白鷹)で2位に浮上。続く21区(白鷹―長井)も合わせ、先頭を走る南陽・東置賜とのタイム差を3分以上縮め、初日に続いて見せ場をつくった。阿部亮監督は「うちは強い。(勝負どころで)一気に流れを変える力がある」。最終日を前に、総合優勝の可能性も十分ある位置につけた選手たちをたたえた。

 四つの区間1位を獲得した第1日とは異なり、この日はスタートから中盤まで区間4~7位が続く我慢の展開。それでも各選手は大崩れすることなく、終盤に配置した実力者による勝負につないだ。

 20区の鈴木挙(日本海総合病院)が猛追の起点になった。3位でたすきを受け、後半は2位集団の3チームで並走。「抜けるタイミングはここしかなかった」と、残り2キロでスパートし白鷹中継所へ。2位でたすきを受けた最終21区の谷地宏康(東海大)は「思った以上に体が動いた」。最後は疲れも見えたが、区間1位を奪った。

 南陽・東置賜との総合タイム差は1分28秒。ミスは許されないが、1区間でも追い付ける僅差だ。最終日は初日に好走した鈴木亮平(法大)や荒生実慧(酒田南高)らを起用。抜け目のない陣容で三度、王者に挑む。阿部監督は自信に満ちた表情で語る。「本気で総合優勝を狙う」

ラストスパートをかける天童・東村山の13区遠田将人(天童市役所)=尾花沢中継所
ラストスパートをかける天童・東村山の13区遠田将人(天童市役所)=尾花沢中継所
力強く天童・東村山3位
 初日と同様に上位に食らい付いた天童・東村山は3位でゴールした。総合順位は4位のままで、「総合3位の山形を抜きたかった」(中村展人監督)と目標には及ばず、悔いが残る結果となったが、この日はレース序盤をはじめ随所で力強さを示した。

 滑り出しの12区(新庄―舟形)で9位。つまずきかけた展開を変えたのが、13区(舟形―尾花沢)の遠田将人(天童市役所)だった。「自分のペースで淡々と走ることを心掛けた」。冷静にピッチを刻んで上位に迫り、5位でたすきをつないだ。区間1位の力走。中村監督は「遠田が頑張り、レースに戻れたのが大きかった」と振り返り、遠田自身も「チームに流れを呼び戻せた」と納得の表情だった。

 総合3位の山形とは合計タイム差が1分50秒。最終日に向け、中村監督は現実を厳しく受け止めつつも、決してこの位置で満足はしていない。「3位に手が届くように、選手だけでなくサポートするスタッフのみんなと一緒に戦う」。最後まで総力戦で臨む決意だ。

たすきを受けて駆け出す山形の14区菅原直哉(東京国際大)=尾花沢中継所
たすきを受けて駆け出す山形の14区菅原直哉(東京国際大)=尾花沢中継所
中盤に手応え山形4位
 ○…この日4位の山形。終盤に順位を落としたが、中盤は六つの区間続けて2位でリレーした。「中盤は良かった。最終日につながる」と阿部和幸監督。この日も上位に付けた酒田・飽海を破るという目標へ、気持ちを切り替えた。

 立役者はこの日最長17.7キロの14区(尾花沢―村山)に起用された菅原直哉(東京国際大)だ。6位でたすきを受け取ると、4人を抜き去り2位に浮上。「残り1キロは誰でも頑張れる。相手の嫌なところで行く。残り3キロでペースを上げて、後続との差を広げられた」。勝負どころをわきまえた走りで流れを呼んだ。

 社会人も強い意気込みで臨んだ。中盤とラスト21区(白鷹―長井)で力強く順位を維持した木村明彦(トヨタレンタリース山形)と須藤朗(JAやまがた)は「本当の仕事はできていない」。一つでも上へ―。木村と須藤は既に2区間を走り終え最終日は仲間に願いを託す。総合2位へ、チームの思いは一つだ。

寒河江・西村山5位
 ○…寒河江・西村山は序盤に出遅れたが中盤以降に追い上げ、5位でゴールした。苦しむチームが息を吹き返したきっかけは、16区(東根―天童)で区間1位のタイムを出した荒木瞭一(山形ミートランド)の力走。吉見政俊監督は「采配ミスを荒木が修正してくれた」とたたえた。

 第2日スタートの12区(新庄―舟形)は4位と順調な滑り出し、しかし直後の2区間で9位まで後退した。続く15区(村山―東根)で大沼翼(東海大山形高)が順位を一つ上げ、そのたすきを受け取った荒木は「良い流れを壊したくなかった」と、軽快なピッチで6位まで押し上げた。

 社会人になって初の県縦断駅伝。「(社会人)デビュー戦を区間賞で飾れて良かった」と、22歳は控えめな笑顔。若きエースの活躍で寒河江・西村山は、入賞となる総合6位以内に望みをつないだ。

北村山6位若手が奮闘
 ○…初めて走る選手も多く故障者もいる苦しい状況で、北村山の流れを変えたのは若手の走りだった。荒井雄哉(東京国際大)は、この日スタートの12区(新庄―舟形)を1位でつないだ。森里史監督は「経験が少ない選手もいるなかで、よく頑張ってくれた」と、荒井の頑張りをたたえた。

 第1日にチームは振るわずに10位。荒井は「区間1位を取って悪い流れを断ち切りたかった」と意気込んだ。有言実行の走りで刺激を与えた。チームはその後、中位に下がったものの、6位で踏みとどまった。

 森監督は「チーム状況は万全ではないが、ベストを尽くせた。一つでも上の順位を狙っていきたい」。残るは最終日のみ。全力を尽くすだけだ。

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