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クマムシ“最強”の謎に迫る 慶応大先端研(鶴岡)が乾眠遺伝子解明

2017年08月05日 14:13
筆頭著者として論文をまとめた吉田祐貴さん=鶴岡市・慶応大先端生命科学研究所
筆頭著者として論文をまとめた吉田祐貴さん=鶴岡市・慶応大先端生命科学研究所
 生命力が強く「最強生物」と呼ばれる微小動物クマムシについて、慶応大先端生命科学研究所(鶴岡市)の研究グループなどが2種のゲノム(全遺伝情報)を比較解析し、クマムシ特有の遺伝子の存在を明らかにした。真空や超低温など過酷な環境に耐えうるクマムシの謎に迫る成果。米科学専門誌で発表した。

 先端研の荒川和晴准教授(37)の研究グループで指導を受ける慶大大学院生の吉田祐貴さん(23)=横浜市出身=が筆頭著者として論文をまとめ、英エディンバラ大のマーク・ブラクスター教授、東京大の国枝武和助教らと共同で取り組んだ。クマムシを専門にする研究者は世界的にも少ない。

 クマムシは周辺環境の乾燥に伴って体内の水分がほぼなくなり、生命活動を示す代謝もない「乾眠状態」となる。体が縮み、死んだようになるが、水を与えると再び活動する。

 今回発表した論文では、これまでに荒川准教授らがゲノム解析した「ヨコヅナクマムシ」と、同じ科に属する「ドゥジャルダンヤマクマムシ」に着目し、ゲノムを解読した。前者はコケの中で見つかり、乾燥に強い特性を持つ。後者は池で発見され、比較的乾燥に弱い。2種の詳細な遺伝情報を比べながら、乾眠につながる共通の遺伝子を複数見つけることに成功。今回、精度の高い遺伝情報を示したことで、今後の関連研究の基盤になるとみられる。

 吉田さんは「ヨコヅナクマムシは常に乾燥にさらされる環境にあるため30分ほどで乾眠状態になる。ドゥジャルダンヤマクマムシは24~48時間かけてゆっくり乾眠する。一方で繁殖力の高さは逆転する」と解説。乾眠の仕組みを明らかにできれば、医療分野やバイオテクノロジーなど多方面での応用が期待される。

◇クマムシ 体長1ミリ以下の微小動物。約1200種いるとされ、幅広く生息する。仮死状態から水を与えると復活する「乾眠状態」に入る特徴を持つ。空気がなく強い紫外線にさらされる宇宙空間や、100度から零下273度の温度変化にも耐える。南極で採取され、約30年ぶりに水を与えて動きだし、産卵した例もある。

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