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【高校野球】日大山形、無念の十二回 明徳義塾に競り負け

2017年08月10日 08:11
〈日大山形―明徳義塾〉1回裏日大1死二塁、3番斎藤史弥が左前適時打を放ち1―1の同点とする=甲子園
〈日大山形―明徳義塾〉1回裏日大1死二塁、3番斎藤史弥が左前適時打を放ち1―1の同点とする=甲子園
 第99回全国高校野球選手権大会は第2日の9日、甲子園球場で1回戦4試合が行われた。4年ぶり17度目の出場となる本県代表の日大山形は明徳義塾(高知)と対戦。延長十二回の末に3―6で競り負けた。

 日大は一、二回に得点を許したが、二回裏の1死二、三塁から3番斎藤史弥の2点適時打で逆転に成功。六回表に追い付かれると、継投した相手投手を攻略できず延長に突入した。日大2番手の中西翔は粘り強く投げたが、延長十二回表にミスも絡んで3点を奪われ、直後の攻撃でも追い上げることはできなかった。

【評】明徳義塾と日大山形は互いに譲らず延長までもつれたが、日大があと一歩及ばなかった。両チームとも初回に得点し、二回裏に1点を先行した日大は五回までリード。接戦の中、明徳の得点機を併殺で防ぐ好守も光ったが、十二回表に四球や失策も絡み一気に3点を奪われた。

【ぎんさん】好機逃し延長戦力尽きる
 攻守で粘りに粘って食らい付き、延長十二回までもつれた接戦。日大山形は最後に力尽きた。荒木準也監督は「うちの野球はできたと思うが、ここを勝ちきりたかった」。強豪の壁は越えられそうで、越えられなかった。

 三回までの序盤が勝負を分けると臨んだ。一回表に先頭打者に二塁打を放たれ、簡単に先制を許した。一気にのみ込まれそうな展開。しかし、その裏の攻撃で嫌な空気を打破した。「アウトになっても強い打球を」。1番鈴木琉生は初球に狙いを定め、鋭い打球を飛ばした。この安打を見た3番斎藤史弥は「いつも通りになった」。外角のスライダーに反応し、左翼線付近に落ちる二塁打を放ち、直後に追い付いた。延長戦につながる起点はここだった。

 勝負を分けたのはわずかの差か。延長に入って、先に好機が訪れたのは日大だった。延長十回裏、ここまで打ち崩せなかった明徳2番手を攻め立て、2死二、三塁とするも、あと一本が出なかった。ここをしのいだ明徳は延長十二回表、日大のミスにも乗じ、畳み掛けるように3点を奪った。堅守を誇る日大のほころびを明徳は見逃さなかった。

 昨秋から県内大会無敗で甲子園へ乗り込んだ。2013年に県勢初の4強を成し遂げた先輩を超える。そう挑んだ初戦で涙をのんだ。「明徳に勝って流れを持ってきたかった。結局は自分たちの力不足」と主将の舟生大地。それでもこの試合で見せた粘り強さを誇り、「ここまでの試合ができたのは一つの成長」と、少しだけ表情を緩ませた。

2番手左腕「楽しめた」
2番手で登板し延長戦まで粘り強く投げた日大山形の中西翔
2番手で登板し延長戦まで粘り強く投げた日大山形の中西翔
 日大山形の2番手として登板した中西翔。左肘の疲労骨折から山形大会で復活し、甲子園のマウンドで粘投した。3年生左腕は「(舞台は)楽しめたと思う」と汗を拭った。

 甲子園に出場するため、東京の中学から日大に進学。5月に肘のけがが分かり、手術を経て練習を再開したのは6月下旬だった。夏に合わせなければ―。リハビリをこなし、必死に感覚を取り戻した。球速は10キロ程度も遅くなったが、「野手を信じて打たせて取る」。苦難を乗り越え、新たな持ち味にした。

 七回からエース森田南々斗の後を継いだ。帽子のつばの裏に書いた「平常心」。マウンドに上がると一呼吸置き、その文字を見て気持ちを落ち着けた。相手2番手との投げ合いにも延長十一回まで踏ん張った。一方、延長での勝ち越し点は自身の四球がきっかけに。「投げ込みができず、スタミナが足りなかった」と唇をかんだ。

競ったゲームできた
 日大山形・荒木準也監督の話 相手の2番手投手から良い打球を打てなかったが、堅守で競ったゲームを展開できた。延長でチャンスがありながら、最後のワンヒットを出せず勝ちきれなかった。最後は監督の差だろう。

【選手ひとこと】
 ▽舟生大地 プレッシャーを楽しめたと思う。後輩たちには粘り強い、泥臭い野球を続けてもらいたい。

 ▽森田南々斗 負けて悔しい気持ちはあるが、小さい頃から憧れていた日大で出場した甲子園は最高だった。

 ▽近藤皓介 マウンドで余裕はなかったが、攻撃につなげようと、いつも通りに強気でインコースを攻めた。

 ▽中西翔 途中までゼロで抑えられたことは良かった。自分の四球が負けにつながって申し訳ない。

 ▽板坂拓海 甲子園は小さいころからの憧れの舞台で楽しめた。支えてくれた多くの人に感謝したい。

 ▽鹿野佑太 ここぞの場面でミスが出た。後輩たちには失敗を糧にしてもらい、来年も甲子園に立ってほしい。

 ▽後藤裕弥 試合への悔いは確かにある。でも最後まで支えてくれた両親や監督に心から感謝している。

 ▽鈴木琉生 延長戦までしっかり戦った。厳しい試合だったが、粘って泥臭いプレーに徹することができた。

 ▽石川陸貢 明徳相手に臆せずにプレーできた。ただ本領発揮までに時間が掛かり、底力を出し切れなかった。

 ▽沼沢拓実 良いゲームだった。支えてくれた仲間がいたから甲子園まで来ることができた。

 ▽信田拓人 大舞台に立って正々堂々とプレーする先輩の姿に感動した。野球への強い思いを引き継いでいきたい。

 ▽斎藤好誠 名門との対戦だったが負けて悔しい。試合にはチーム一丸の全員野球で臨むことができた。

 ▽深瀬頌太 歴史に挑戦することを目標にここまで頑張ってきた。負けはしたがチーム全員が力を出し切った。

 ▽手塚隆之輔 憧れの甲子園で精一杯プレーできて悔いはない。野球生活を支えてくれた家族に感謝している。

 ▽沼沢大輔 チーム一丸で向かっていく戦いができた。最後の最後にチームに貢献したかった。

 ▽武田辰海 自分はどんな状況でも笑顔で頑張ってきた。ゲームセットの直前まで笑顔を忘れずに戦った。

 ▽近藤大成 3年間は苦しいことの方が多かったが、甲子園に出場したことで楽しさに変わった。悔いはない。

 ▽斎藤史弥 (二回裏の逆転打は)執念だった。3年生と試合に臨み、一球に懸ける気持ちを見せられたと思う。

【振り返って】強豪相手に堂々と―残塁13、流れつかめず
 日大山形は初戦敗退に終わったが、強豪の明徳義塾と肉薄した戦いを見せた。本県代表として堂々とした試合ぶりだった。

 県勢は明徳と2000年以降、選抜大会を含め甲子園で4度対戦。1勝3敗と分が悪い相手だった。全国選手権大会に8年連続出場している実力は本物だったが、序盤は日大の攻撃が勢いで上回った。先発の森田南々斗、2番手の中西翔とも球速は速くないが、低めに集める制球力と緩急で試合をつくった。野手陣は捕球や返球で見せ場をつくった。

 しかし、好機で畳み掛けられなかったことも事実。相手の力投に対し、優位な流れに持ち込めなかった。残塁は13を数える。もう1点を奪っていれば、という展開だった。最後に堅守が崩れたのも痛かった。

 13年に県勢初の夏4強を成し遂げた同校。現チームは「歴史に挑戦する」を合言葉に今大会に臨んだ。県内では無敵だったが、秋春の東北大会はともに初戦敗退。今大会で結果は伴わなかったが、確かな成長を感じさせた。3年生を中心に築き上げた、強打だけに頼らない「粘り強さと泥臭さ」を継承してほしい。

(報道部・相原健佑)

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