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高性能電子顕微鏡、生産可能に 日本電子山形(天童)

2017年09月11日 10:11
日本電子山形が生産した原子分解能分析電子顕微鏡の1号機=天童市・同社
日本電子山形が生産した原子分解能分析電子顕微鏡の1号機=天童市・同社
 日本電子山形(天童市、鈴木良樹社長)は、同社初の原子分解能分析電子顕微鏡を完成させ、近く韓国に向けて出荷する。透過電子顕微鏡の一種で、原子間の距離まで測ることができる汎用(はんよう)モデル。これまでは開発などを担当する親会社が製造してきたが、技術レベルの向上で生産が可能となった。

 親会社の日本電子(東京都)は電子顕微鏡のトップメーカー。日本電子山形はその生産専門会社で、協力会社の技術者を工場内に集結させる「生産センター方式」で、透過電子顕微鏡や走査電子顕微鏡などの汎用モデルを生産している。

 今回製造した原子分解能分析電子顕微鏡「JEM―ARM200F」は、これまで親会社だけで生産してきた商品だが、今年3月から山形で組み立てを始めた。通常は組み立てに3週間、調整に12週間かかる商品。「研修を含めて調整に5カ月ほどかけた。次は通常ペースで生産できる」(鈴木社長)としている。

 この顕微鏡には画像が不鮮明になる収差を補正する複数のレンズを加えたため、高さが3メートルほどに達している。より鮮明に見え、倍率は最大200万倍、その分解能(対象を測定または識別できる能力)は0.083ナノメートル。物質を構成する原子が見え、原子間の距離も測定できる。価格は1台3億円程度という。

 1号機は近くパーツごとに分解し、10月初旬には韓国の大学に出荷される。同社では年度内に同型の顕微鏡を計6台生産する予定だ。鈴木社長は「新たな技術が詰まった顕微鏡の生産ができた。働いている人も一層の誇りを持つことができるだろう。レンズを工夫するとさまざまなタイプになる商品のため、さらに技術レベルを上げ、山形で一括生産できるようにしていきたい」と話していた。

透過電子顕微鏡 試料に電子線を当て、透過してきた電子を結像して拡大し、観察する装置。電子線を試料の表面に当てて放出された2次電子などを検出する走査電子顕微鏡と異なり、透過像のため、試料内部を観察できる。医学、生物学、化学、工学、物理学など生体試料の観察から、先端材料の研究までさまざまな分野で使われている。

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