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【モンテ】検証2017(下) J1定着見据えた戦術

2017年11月23日 10:33
第8節東京V戦で選手に指示を出す木山隆之監督(左)=天童市・NDソフトスタジアム山形
第8節東京V戦で選手に指示を出す木山隆之監督(左)=天童市・NDソフトスタジアム山形
 今季、山形を率いた木山隆之(たかし)監督は「J1でも通用するサッカー」を念頭に、メリットの半面リスクもはらむ戦術をあえて採った。GKも含めてDFラインから攻撃を組み立てる「ビルドアップ」は、シーズンを通して機能した前線からの守備とは対照的に、成熟に時間がかかった。試合で成果が見えたのは後半戦になってからだ。

■守備陣に負担も
 GKも含めてショートパスを主体にボールを動かし、相手守備のずれや隙を突いていくスタイル。遂行には足元の高い技術、ポジショニングなどの深い理解度が求められる。プレスをかわしてボール保持ができればチャンスは広がるが、危険もはらむ。自陣で奪われればカウンターを浴び、失点に直結しかねない。

 前半戦、DF菅沼駿哉は難しさを痛感した。「ミスが怖かった。ゴールキックは遠くに蹴った方がいいのではと思った」。体を張って相手の攻勢をしのいだ後、一息つきたい時間にパスを受け、プレスをかいくぐる準備をする。DFの負担は小さくなかった。

■試合でやれない
 相手も不安定なパス回しに狙いを定め、山形はリズムを崩すことも多かった。第16節湘南戦など上位に勝った試合は、攻めを組み立てたというよりもカウンターが決まった印象が強い。主将のMF本田拓也は常々「練習ではつなげるのに試合でやれない。もっと自信を持てばいいのに」と口にした。

 木山監督は来季に向け「しっかりボールをつなぐスタイルを続ける」と語り、基本戦術は変えない方針を示している。難度の高いサッカーに挑戦するのはなぜか。空中戦に強い選手を狙ったロングボールや守備を固めての逆襲など、戦い方は他にもある。

 指揮官は理由を説明する。「(格上が多い)J1で防戦一方では先が見えている。守りながらも(ボクシングの)ジャブを打つチームの方が相手は嫌だと思う」。少ないセットプレーやカウンターの好機に懸けるのではなく、劣勢でもボールを保持し、自分たちの攻撃の形を出す、それがJ1のチームと渡り合うために不可欠だと見る。

 今季J2で優勝した湘南の●貴裁監督は6年、2位に躍進した長崎の高木琢也監督は5年もの間、同じチームを率いている。じっくりと選手たちに戦術を植え付け、突き詰めてきた。

 一方の山形。木山監督の就任2年目、契約最終年となる来季も、J1昇格が最大の使命となる。限られた時間の中で戦力を整え、成熟度を高め、起用法を練り上げ、勝ち点につなげなければならない。

■支える体制構築
 支える体制はどうか。例えば今季、練習で芝の状態が良いグラウンドを求めて転々としたように、チーム環境は十分とは言えないのが実情だ。山形はJ1昇格だけでなく定着を目指している。クラブやサポーター、スポンサー、県民がこれまで以上に高い意識で支えなければ、実現への道筋は見えないだろう。

(この企画は報道部・五十嵐聡が担当しました)

●は十の下に田、下に日

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