県内ニュース庄内に打ち寄せる不安 陸海空、夜を徹し警戒
2017年11月25日 09:00
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秋田県由利本荘市の「本荘マリーナ」付近に漂着した木造船=24日午前10時1分
警察と酒田海保は、秋田県での23日午後11時半の通報後、即時対応に追われた。陸上では酒田署が沿岸部に広範囲に人員を配置。鶴岡署員も夜を徹して沿岸部をパトカーで回り、同様の船が来ないか、不審な人物がいないかなどを警戒した。海からは酒田海保所属の巡視艇「つるぎ」が監視、空からは第2管区海上保安部(宮城県塩釜市)の航空機とヘリが対応した。 もし県内で同様の事態が起きた場合はどうするのか―。酒田署、酒田海保ともに、船の漂着や人の上陸・潜伏などあらゆるケースを想定して、本庁や法務省入国管理局(入管)と連携して対応するとした上で、詳細は機密事項とした。 住民が不審船や不審人物を見つけた場合は、興味本位の行動は避けるように呼び掛ける。海上に見えたとしても、武器の所持や工作員などの可能性も捨てきれない。自らの身の安全を確保することも必要だ。 ある関係者は「数年前にも木造船漂着が相次いだが、今回は比にならないくらい国家情勢が緊迫している状態。一つの対応が国家的な危機を招く場合もある。緊張感を持って対応しなければならない」とする。 今回の現場まで直線で35キロほどと近接する県境の遊佐町吹浦には動揺が広がる。漁師高橋正博さん(57)は「報道を見て驚いた。北朝鮮は拉致やミサイルの問題がある。本当に漁をしていたのか他に目的があったのか分からず、心配だ」。妻の純さん(56)も「仮に助けを求められても向こうの国の言葉は分からないし、1人ならまだしも一度に8人に来られたら怖い」と話していた。
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