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低コスト水位計、高畠で腕試し 洪水対策で国交省、雪や低温の耐久性確認へ

2018年01月21日 13:58
洪水時の計測に特化した危機管理型水位計の設置例。高畠町での実証では、寒冷地における耐久性が検証される=山形河川国道事務所提供
洪水時の計測に特化した危機管理型水位計の設置例。高畠町での実証では、寒冷地における耐久性が検証される=山形河川国道事務所提供
 国土交通省は、河川の洪水時に活用する低コスト水位計(危機管理型水位計)の実用化に向け、高畠町の和田川に架かる津久茂橋周辺で現場実証に取り組む。寒冷地での使用を前提としており、検証は冬期間を含めて実施。積雪や低温への耐久性が確認されれば、本県から全国に向けて技術が普及する可能性がある。

 民間企業の技術力を生かし、短期的に河川管理の高度化を図る同省の「革新的河川技術プロジェクト」の一環。現状では、予算的な制約などにより中小河川では水位計が設置されていないケースが多く、逃げ遅れによる人的被害が全国的に発生している。設置数増に向けては、低コスト化が大きな課題となっている。

 従来の水位計は初期投資で1千万円以上、加えて水位情報を発信するための通信費、維持管理費が必要になる。危機管理型水位計は洪水時の観測に特化することで1台100万円以下の低コスト、小型化、太陽光発電の利用などによる長期間のメンテナンスフリーを目指す。計測手法は、センサーを河道内に入れる「圧力式」、電波によって水面の高さを測る「電波式」などが想定されている。

 本県を含む寒冷地では、低温でバッテリーが想定より早く消耗することや、冬季に太陽光パネルへ取り込む日照量が不足することなどが懸念される。こうした課題克服のため、気象条件が合う高畠町での検証が決まった。和田川では周辺住民と行政が一体となり、減災対策を進めていることも要因の一つとなった。

 今回は13の企業グループが参加を希望し、2月から各グループの提案する機器を設置する予定。実験は2年間をめどに実施される。「無給電で5年以上稼働」「1カ月に千円程度の安価な通信コスト」などを目標とし、実証に伴う費用は全て参加企業が負担する。

 同省は危機管理型水位計の実用化と合わせ、ネット上にデータを保存するクラウドを活用した情報の一元化についても検討を進めている。河川管理者の行政に加え、住民も普段から身近な河川の水位を確認できる仕組みづくりを図る。

 洪水時に避難情報を発する自治体にとって水位は重要な判断材料となるが、現状では中小河川の水位変化を詳細には把握しきれていないのが実態だ。同省山形河川国道事務所は「低コスト化により、都道府県が管理する中小河川でも設置が進むと期待している。スピード感を持って避難に有効なシステムの構築を図りたい」としている。

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