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蓄音機やB29通信機、山形大工学部へ寄贈 上山・菅原さん、コレクション500点

2018年02月09日 10:42
大きなホーンの蓄音機の前で山崎洋一郎名誉館長(右)に思いを語る菅原和雄さん(左)=米沢市・旧米沢高等工業学校本館
大きなホーンの蓄音機の前で山崎洋一郎名誉館長(右)に思いを語る菅原和雄さん(左)=米沢市・旧米沢高等工業学校本館
 半世紀近くものづくり企業を経営し、昨年春に第一線を退いた男性が、米沢市の山形大工学部に500点に及ぶ「文明機器」コレクションを贈った。蓄音機から爆撃機搭載の通信機、世界初のパソコンまで多種多様で、近代産業史をたどることができる。競争を戦い抜いた元経営者は、学生たちへの贈り物に、歴史ある大学で学ぶことに自信と誇りを―との思いを込めた。

 寄贈したのは上山市御井戸丁の菅原和雄さん(75)。大手メーカーへの集団就職を経て帰郷後、27歳で金属加工のユニカ技研を設立。自動車部品などを製造して業容を拡大させ、昨年3月で事業を承継した。

 文明機器の収集を始めたのは会社が軌道に乗った1980年代後半。きっかけは著書「第三の波」で情報革命を予測した未来学者アルビン・トフラーの来日だった。テレビ番組で、18世紀半ばの産業革命以降、科学技術の進歩が人類の生活をいかに変えたかを解説するトフラーを目にし、近代史のシンボルとなる機器を手元に置きたいと思い立った。

 都内の専門店に通い、国際的なネットオークションを利用して収集。勇退を機に、昨年5月ごろに山大側に申し出てコレクション全体の9割を寄贈した。

B29に搭載された米GE社の送信機
B29に搭載された米GE社の送信機
 贈り物は工学部キャンパス内に立つ国の重要文化財「旧米沢高等工業学校本館」に納められた。産業革命を象徴する蒸気機関コーナーには機関車や蒸気船の模型が置かれた。音響機器は大きなホーンを広げた1901(明治34)年製のエジソンの蓄音機が存在感を示し、オープンリールテープの再生機などが並ぶ。

 通信分野はさらに充実している。モールス電信機や手回し電話、米軍のB29爆撃機に搭載されたゼネラル・エレクトリック(GE)社の軍用送信機も。映像は1895年製のスチールカメラや世界初のオートフォーカスカメラ、1923(大正12)年フランス製の9.5ミリフィルム撮影機とマニア垂ぜんの品ばかり。電子計算機は世界初のパソコンとされる米コモドール社の77(昭和52)年モデル「PET2001」が棚に鎮座している。

 「どれも何人かの手を経てここにある。自分は一時的に預かっただけ」。菅原さんはそう言うと、笑顔で続けた。「世界の科学技術の進歩と経済発展に多くの工学部の卒業生が貢献している。学生には機器を見て、歴史ある大学で学ぶことを誇りに、夢を持って勉学に励んでもらいたい」

 米沢高等工業学校は1910年に開学し、49年の学制改革で山大工学部となった。各界で業績を残した卒業生に関する資料が展示されている。同本館記念館の名誉館長で工学部卒業生の山崎洋一郎さん(76)は今回の寄贈を「学生の励みになる。他の展示物と合わせ、どんな時代にこの大学が開学し、国の発展に先輩がどう関わったか、思いをはせてほしい」と話した。

 記念館の入館は無料で、事前申し込みが必要。問い合わせは山崎名誉館長080(6001)6100。

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