県内ニュース

豪雪地の努力と工夫~史上1位の肘折ルポ

2018年02月13日 11:08
雪の壁に街路灯(右)がすっぽり埋まった様子を写真に収める旅行者=12日午後1時14分、大蔵村南山
雪の壁に街路灯(右)がすっぽり埋まった様子を写真に収める旅行者=12日午後1時14分、大蔵村南山
 大蔵村の肘折地区は12日、積雪深が5年ぶりに4メートルを超え、同地点での観測史上1位となった。湯治場として知られる肘折温泉がある地区内を歩くと、住民が除雪に追われて疲労の色を見せる一方、記録的な大雪をあえて楽しもうとする観光客の姿も見られた。(新庄支社・井上萌々子)

 同日正午ごろ、新庄市から車で同村に向かった。新庄支社に赴任して3年。「大蔵の冬道は走りやすい」という印象があったが、この日ばかりはわだちが残る道をそろそろと進まざるを得なかった。それだけで今季の雪のすごさが分かる。

 村内の湯の台スキー場近くの直線道路に差し掛かると突然、地吹雪で目の前が真っ白になった。車を寄せようにも道路脇には高さ3メートルを超える雪壁がそびえる。「ひゃー」。思わず叫びながらブレーキを踏んだ。

 いつもより20分ほど余計にかかって地区内に到着すると、雪が降る中、あちこちでスノーダンプやスコップを手に除雪をする人の姿があった。無職横山武夫さん(68)は午前4時ごろから作業を始め、午後1時半時点で4回目の除雪だという。「今年はちょっと多過ぎ。参っちゃうね」。62歳まで村の除雪作業員を務めていたが、「これほどの大雪は初めて」と疲れた表情で語った。

 ただ、温泉街に一歩足を踏み入れると除雪が行き届いた歩きやすい道が続く。三春屋旅館の前には、うっすらと湯気が上っていた。温泉の廃湯をパイプで流し、間口の雪を消しているという。温泉街ならではの知恵だ。「温泉の成分が沈着するので掃除が大変だけど、こうでもしないと間に合わない」と三原洋一専務(53)。雪で苦労するのは毎年のことながら「ここまで降るともう笑うしかない」とあきらめ顔だった。

 大雪のためか、旅行者の姿はまばらだ。秋田県由利本荘市から旅行で訪れたフォトグラファー金木亨さん(49)は「雪壁を撮りたくて来たが、こんなに降るとは…」と驚く。一面真っ白な温泉街までの運転に苦労し、ハンドルをいつもより強く握ったという。「着くことができてほっとした」と語り、揚々と撮影に向かった。

 温泉街を後にする際も雪は降り続いていた。ホワイトアウトに見舞われ、たどり着くまでの道のりは確かに厳しかったが、温泉街は巡るのに適した雪の量だった。地域住民の努力と工夫のたまものだと感じた。

関連記事

by weblio


おすすめニュース

文字サイズ変更
  • 小
  • 中
  • 大

県内7市発行メールマガジン登録無料

ふるさとだより

週1回配信中!

ニュース特集

スポーツ

教育・子育て

おでかけ

暮らし情報

twitter発信中

山形新聞からお知らせ

  1. 【2018年8大事業】
     山形新聞、山形放送の2018年の8大事業が決まりました。詳しくは、こちらから
  2. 【やましん公式FB】
     山形新聞社は、インターネット交流サイト「フェイスブック(FB)」の公式ページを新設しました。
     公式ページでは山形新聞のニュースのほか、本社からのお知らせなどを中心に紹介します。
     アドレスは、こちらから
  3. 【やましんe聞で動画視聴】
     読者限定の電子版「やましんe聞」で動画を閲覧できる新サービスを始めました。詳しくは、こちらから。
  4. ◆中学、高校の各種スポーツ大会の記録を紹介。検索機能も備えています。アクセス方法はこちら
  5. ◆探したい記事がきっと見つかる、山形新聞記事データベース。他社DB横断検索が便利な日経テレコンジー・サーチファクティバ
  6. ◆県外でも今日の朝刊が朝一で読める「お届け電子版
  7. ◆ニュース速報、高校野球、モンテ情報、おくやみ… 身近な情報を携帯で確認「モバイルやましん
  8. ◆故郷の話題をメールでお届け、ふるさとメール会員募集(登録無料)
山形新聞から
販売から