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【平昌五輪】転機の度、ぐんと成長 Sスケート男子1000メートル・小田選手(山形中央高出)

2018年02月24日 12:54
 平昌冬季五輪で23日、スピードスケート男子1000メートルで5位となった小田卓朗選手(25)=開発計画研究所・山形中央高出。高校3年生でワールドカップ(W杯)に出るなど早くから注目されたが、ここまでのスケート人生は決して順調ではなかった。いくつかのターニングポイントを経て、壁が厚い中距離で世界と渡り合う力を身につけた。

 関係者が認める大器は、高校の下宿に入った際、既に強靱(きょうじん)な筋肉を持っていた。高校ではトップクラスだったが、一皮むける契機は2010年、高3の夏。実業団トップの三協精機(現日本電産サンキョー)による合宿への参加だった。

 高校の先輩でこの年のバンクーバー冬季五輪銅メダリストの加藤条治選手や、同銀メダルの長島圭一郎選手と練習し「加藤さんや長島さんの動きを見よう見まねでやってみたら、自分が変わった」と小田選手。同五輪代表で現在は競輪に転向した小原唯志選手との自転車練習では先行し、潜在能力の高さを見せつけた。

 世界レベルに触れ、インターハイや国体が目標だった18歳の視線は自然と上がった。「合宿から帰ってくると滑りが変わっていた」と同校の椿央監督。10月の全日本距離別選手権では、椿監督が「1分51秒くらい出せ」と言っていた1500メートルで1分50秒60を出し、高校生初の優勝。その成長力は監督の想像を超えていた。

 早大では伸び悩むも、ナショナルチーム入りをきっかけに再び開花。中でも、16年12月のW杯で1000メートルで3位となり「あれが大きかった」と小田選手。1000メートルで五輪2連覇などの実績を誇るシャニー・デービス(米国)に先着し、確かな自信を手に入れた。

 三つ目の転機は17年12月のW杯。それまでの不調を受け、靴のブレード(刃)変更を決断した。課題のカーブワークが改善し、1000メートルと1500メートルで日本新記録を樹立。誰しも認める日本中距離のエースとして、平昌冬季五輪代表の座をつかんだ。

 13日の1500メートルでは、同種目で日本勢過去最高に並ぶ5位。優しく控えめな性格の男が、競技者の欲や本能をあらわにした。2種目で奮闘した初の五輪は、さらなる境地を切り開くターニングポイントになるだろう。
(平昌=報道部・五十嵐聡)

2種目入賞に「すごい」「誇り」―山形でPV
 小田選手を応援するパブリックビューイングが23日、山形市の霞城セントラルで行われ、約150人が声援を送った。

パブリックビューイングで小田卓朗選手(開発計画研究所・山形中央高出)を応援する参加者=山形市・霞城セントラル
パブリックビューイングで小田卓朗選手(開発計画研究所・山形中央高出)を応援する参加者=山形市・霞城セントラル
 小田選手の2年先輩で、山形中央高スケート部OBの団体職員森永一帆さん(27)にはレース前、本人からLINE(ライン)で「爆発するだけ」とのメッセージが届いた。5位入賞という結果に、森永さんは「一発に懸けたレース。メダルには届かなかったけど、持てる力を出せたのではないか」とうなずいた。

 小田選手の高校時代の担任だった県競技スポーツ推進室の松本栄さん(50)は「2種目入賞はすごい。力をつけてきた証しだと思う」とたたえた。同校2年の城戸口遥斗さん(16)は「初の五輪で入賞するなんて中央高の誇り。自分も部活を頑張りたい」と話した。

父秀輝さん「金メダルあげたい」
 1500メートルに続き、小田選手の父秀輝さん(56)=北海道浦河町=は、この日も現地で応援した。「二つの5位は大したもの。金メダルをあげたい」と大舞台で急成長を見せた息子をたたえ「本人はメダルが手の届く所にあると実感していると思う」と一層の躍進を期待した。

 小田選手の姉・牧野伴代さん(30)は3年前に夫の転勤で山形市に移住し、この日は自宅で家族とレースを見守った。小田選手が幼い頃から競技に打ち込む姿を間近で見てきた伴代さん。出身地の北海道、高校時代を過ごした山形、所属先がある茨城と各地で応援の輪が広がったことに感謝し「卓朗はスケートを通し、世界に挑戦する意義を見いだした。最高の滑りを見せてくれた」と万感の思いを語った。

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