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ストーカー、治療で再発防ぐ 医師と連携、加害者に促す

2018年04月02日 08:23
 凶悪事件への発展も想定されるストーカー行為の再犯を防ぐため、全国の警察は加害者に医療機関での治療を促す取り組みを始めている。警告や逮捕に加え、加害者の心理に働き掛けて行為の原因を取り除く狙いだ。県警は2017年度から導入し、これまで3人が受診。県警生活安全企画課は「ストーカーは一つの『病気』。治療効果は認められており、今後は加害者支援にも力を入れていく」としている。

 そもそもストーカーは“病気”なのか。警察庁と協力し、東京のNPO法人で約200人の加害者を診てきた精神科医の福井裕輝氏は▽失恋後に復縁を求めてメールや電話をする▽相手の顔を見たくて待ち伏せする―といった行動は「誰にでも起こり得るありふれた現象」と説明する。

 一方、相手が嫌がっていても自分で行動を止められないような特異な症状について、福井氏は「ストーカー病」と名付け、「相手を恨み、不幸に陥れたいという欲求が制御できない、いわば『恨みの中毒症状』の状態にある」とする。

 警察庁の調べでは、昨年全国の警察が認知したストーカー被害は2万3079件に上り、統計のある2000年以降で最多だった。県警には年平均、約80件の相談が寄せられている。

 ストーカー行為は再犯率が高く、福井氏は「警察の警告を受けても行為を繰り返す加害者の中に、凶悪事件を引き起こす人もいる」と指摘。「刑罰を科しても根本的解決にはつながらない。適切な治療が、新たな被害者を生まないための最も有効な手段だ」と強調する。

 こうした状況を受け、警察庁は16年度から加害者治療に乗り出した。ストーカー規制法に基づき警告するなどした加害者に、警察が医療機関での受診を勧める。本人の同意が得られれば、地域の精神科や心療内科の医師を紹介。病院で治療が必要と判断されれば通院が始まる。16年度は全国で93人が受診。このうち33人が治療を終え、行為が再発した人はいなかった。県内では17年度に3人が受診し、1人が治療を完了している。

 「治療では加害者の言い分を聞くことに徹する」と話すのは、県警と連携して加害者治療を担当した県精神保健福祉センターの有海清彦所長。自分の考えを吐き出すことで気持ちを整理し、自らの行為を客観的に見られるようになるという。「人は不満や不安があると前に進めない。治療では加害者が立ち直るための心の準備を手助けできる」と話している。

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