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私の嫁ぐ日は「むかさり行列」 最上の山崎さん、赤倉温泉で再現へ

2018年04月15日 14:48
90歳の大場善男さん(左)から、むかさり行列について聞く山崎香菜子さん=最上町富沢
90歳の大場善男さん(左)から、むかさり行列について聞く山崎香菜子さん=最上町富沢
 最上町地域おこし協力隊員の山崎香菜子さん(35)=宮城県白石市出身=が自身の結婚式で、40年ほど前に途絶えた嫁入り行事「むかさり行列」を計画している。地域へのあいさつの意味も込め、来月に両親、親戚らと地元の赤倉温泉街を歩く予定で、山崎さんは「地域の盛り上げに一役買いたい」と、お年寄りの力を借りながら風習の再現に奮闘している。

 同町では1970年代ごろまで、花嫁のお披露目として「むかさり行列」が行われていた。親戚が長持ちやリヤカーで家財道具を運びながら、近所の人が嫁に行く覚悟を問う「止め唄」を、行列側が道を通すよう願う「返し唄」を繰り返し、嫁ぎ先まで通りを進んだという。

 山崎さんは昨年7月、同町の会社員拓さん(37)と結婚し、これを機に町内に移り住み、協力隊員となった。結婚式を挙げるつもりはなかったが、地域の人からむかさり行列のことを聞き、「行列を通して赤倉温泉に仲間入りさせてもらいたい。身内に嫁ぎ先のことを知ってもらうこともできる」と思い、拓さんに相談。2人で5月26日に行うことを決めた。

結婚した2人のお披露目として行われていた「むかさり行列」=1954(昭和29)年、最上町富沢(佐藤タカ子さん提供)
結婚した2人のお披露目として行われていた「むかさり行列」=1954(昭和29)年、最上町富沢(佐藤タカ子さん提供)
 記録や写真が限られる中、頼みの綱は当時を知るお年寄りたちだ。山崎さんが“赤倉温泉の生き字引”と呼ぶ近くの農家大場善男さん(90)は23歳で結婚。お相手のフジノさんには先立たれたが、むかさり行列のことはしっかり覚えている。フジノさんの実家から大場さんの家までは通常歩いて約5分の距離だったが、行列では40分近くかかったという。大場さんは「止め唄が多くて時間を要するほど歓迎されている証拠だった。花嫁さんを一目見ようと、近所の人があふれるほど集まった」と懐かしむ。

 山崎さんはこうした話を参考に、地域ぐるみの行列を目指している。当日は温泉内の湯原バス停から山崎家までの約500メートルを、花婿や親類も含めた35人ほどで歩く。止め唄・返し唄の歌い手や、長持ちの運び手を温泉街の人にお願いする予定だ。

 大場さんをはじめ、地元の人たちは「昔の風習を復活させてくれるのはうれしい」と期待を寄せる。山崎さんは「赤倉温泉には人々の温かいつながりが残っている。地元の力を借りながら、みんなが楽しめる一日にしたい」と意気込んでいる。

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