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海の家閉所、30年間ありがとう 酒田・十里塚、障害児と家族が利用

2018年07月15日 12:29
障害児と家族のために海の家を運営してきた矢野光夫さん、登喜子さん夫妻。今年、役割を終え閉所した=酒田市
障害児と家族のために海の家を運営してきた矢野光夫さん、登喜子さん夫妻。今年、役割を終え閉所した=酒田市
 天童市東久野本2丁目の矢野光夫さん(76)登喜子さん(71)夫妻が、酒田市十里塚に所有する民家で開いてきた「はまなす苑 海の家ゆうゆう」が今年、閉所した。障害のある子どもと家族に、海での遊びや旅行を楽しんでほしいと続けてきた海の家。多い時には総勢30人で大家族のように過ごしたこともあったが、開設から30年、一定の役割を果たし幕を下ろした。


 県職員だった矢野さん、心身障害児者小規模通園施設「のぞみ学園」(天童市)の指導員時代に、愛の鳩賞(主催・公益財団法人山新放送愛の事業団、山形新聞、山形放送)の受賞歴がある登喜子さんの2人も、障害のある子どもの親だ。

 長女倫子(ともこ)さん(故人)は脳性まひ。以前は宿泊施設に利用を断られることがあり、宿泊できても周囲の目が気になるなど親の思いがよく分かった。親の注意が障害のある子に向かうことで、きょうだいの活動が制限されることも気がかりだったという。

 倫子さんは1986(昭和61)年に14歳で亡くなったが、その頃には仲間の家族も増えており、矢野さんは海の家開設を決意。89年に酒田市の民家を取得し、利用を開始した。8畳間が1部屋、6畳間が3部屋に台所、風呂、トイレの間取りで、一年中無料で貸し出した。子どもたちが太陽と日本海の潮風の中で悠々と健康になってほしいと「ゆうゆう」と名付けた。

 同市の十里塚海水浴場(現在は閉鎖)まで約500メートルと海に近く、夏には泳げない子もスイカ割りや波打ち際の遊びで楽しんだ。繁忙期は、のぞみ学園の仲間やその知人が集合し、大家族のように食卓を囲むことも。冬の寒ダラや庄内観光のため、利用する家族もいた。海の家には笑い声が響き「安心して過ごせる」「気兼ねせず旅行できた」と喜びの声が相次いだという。内陸だけでなく、庄内の家族の利用もあった。

 多い時は年間15家族ほどが宿泊したが、障害者の受け入れ施設も増え、夫妻も高齢になり閉所を決めた。「倫子もたくさんの人にお世話になって生きた。その恩返しと思い続けてきた」と登喜子さん。「みんなに楽しく過ごせてもらえて本当によかった」と矢野さんは満足そうに語った。

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