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浸水「家を見て涙出た」 戸沢・蔵岡地区ルポ

2018年08月08日 08:54
住宅に泥が流れ込み、撤去作業に追われる住民=7日午前10時54分、戸沢村蔵岡
住宅に泥が流れ込み、撤去作業に追われる住民=7日午前10時54分、戸沢村蔵岡
 「家を見て涙が出た」「一から始めるしかない」。記録的な豪雨に見舞われ、集落全体が冠水した戸沢村蔵岡地区。水が引いた住宅地には大量の泥が残された。水分が抜け、粘りが増した泥の撤去は想像以上の重労働。断水で十分な水を確保できない中、住民は7日朝から本格的な片付け作業に追われた。

 茶色くくすんだ集落内には独特の匂いが漂い、トラックや重機、車が土ぼこりを巻き上げながら進む。民家沿いの道路には大量の泥と汚れた家財道具がずらっと並んでいた。水が引いた畑では収穫前の野菜が無残な姿になり、寺では墓が泥にまみれている。大変な状況にもかかわらず、どの住民も気丈に振る舞い、取材に応じてくれた。

 「これまでの水害でも一番ひどい。泥が何といっても困り者だ」。大工鈴木優治さん(68)は自宅裏手の倉庫が浸水。近くの畑では枝豆などが全て駄目になった。泥にまみれた農機具などを一つ一つ運び出す作業が続く。「まずは家の片付けが最優先。仕事は盆明けから再開したい」

 水があふれた角間沢川に向かって進むと、住宅被害はさらに深刻になっていく。自営業斉藤秀勝さん(54)宅では、5日午後11時ごろから急に水位が上がり、直後に住宅内に浸水。6日早朝、救助に来たボートに乗って両親と3人で逃げた。家財道具は泥にまみれ、避難所生活を続けている。床上浸水を経験するのは今回で4度目といい「また一から始めるしかない」とこぼした。

 集落の端にある角間沢川と最上川の合流点に出ると、完成したばかりの真新しい排水施設が目に入ってきた。国が約14億円をかけて整備した最新施設だが停電で機能しなかったことが分かり、住民からは不満の声も多く聞かれた。

 建設業太田喜一さん(68)宅では自宅1階と倉庫2棟が浸水し、家電や家具、軽トラックまでが使い物にならなくなった。「家の状況を見て涙が出てきた。天災なので仕方ないが、ポンプが動いていれば被害は小さかったのではないかと思うと悔しい」と肩を落とした。
(新庄支社・成沢隼人)

関連写真

  • 浸水した家財道具を男性二人がかりで運び出す

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